戸田建設ら/エレベーター関連の工期を大幅短縮、施工段階から本設活用

戸田建設と三菱電機ビルソリューションズは、建物のエレベーター関連工事の工期を大幅に短縮する技術を開発した。本設エレベーターの機械室を移設可能な仮設のユニットと位置付け、建物の工事進捗(しんちょく)に合わせて上階に移設していく。本設エレベーターを、工事用として低層階の施工段階から利用することで、低層階の仕上げ工事の効率化などを図り、生産性を高める。
ユニット化した本設エレベーターの仮機械室や、作業床と機械室ユニットの揚重装置を兼ねた機械装置(上部作業床兼揚重ユニット)、機械室ユニットと揚重ユニットを支持する伸縮梁、本設エレベーターで構成。躯体工事の進捗に合わせてこれらの機器を建物の上階に上げていき、本設エレベーターを利用できる階数を増やしていく。
従来はタワークレーンを用いて下階から上階に移設していた。今回の技術では、新たに上部作業床兼揚重ユニットを設けることで、可能な限りタワークレーンに依存せずに作業ができるという。
一般的な工事では、工事用の仮設エレベーターを別途設けている。工事用エレベーターを減らすことで設置・解体作業などを削減する。戸田建設が建設中の新本社ビル「TODA BUILDING」(東京都中央区)の工事に適用した。同現場での利用後にも改善を加え、さらなる工期短縮と生産性向上を進める。

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