遺族年金をもらっている51歳。65歳以降は今の遺族厚生年金プラス自分の老齢基礎年金がもらえると解釈したのですが、間違いですか?

年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、遺族厚生年金を受給している女性からの質問に専門家が回答します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。 今回は、遺族厚生年金を受給している女性からの質問です。

Q:遺族年金をもらっている51歳。65歳以降は今の遺族厚生年金プラス自分の老齢基礎年金がもらえると解釈したのですが、間違いですか?

「1973年2月生まれの51歳です。2年前主人と死別で遺族厚生年金をもらっています。年金手続きの際『65歳からはあなたは老齢厚生年金ではなく(パートで厚生年金に入ってますが、収入が少ないので)、老齢基礎年金と遺族厚生年金という形がよいかと思います』と言われました。今の遺族厚生年金プラス自分の老齢基礎年金と解釈したのですが、間違いですか?」(まーさん)

A:65歳以降はご自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金、遺族厚生年金は老齢厚生年金を差し引いた差額分が支給されます

遺族厚生年金を受給している人は、65歳以降は本人の老齢厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金との差額分が遺族厚生年金として支給されることになります。 相談者「まー」さんには65歳以降「ご自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金と差額分の遺族厚生年金」が支給されます。「まー」さんは、現在遺族厚生年金を受給しているとのこと、65歳過ぎるとご自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金が優先支給されます。遺族厚生年金は65歳以降「中高齢寡婦加算※」がなくなり、「夫の厚生年金記録から計算された遺族厚生年金からご自身の老齢厚生年金を差し引いた差額」が支給されます。 ※遺族厚生年金の加算給付の1つで、夫が死亡したときに40歳以上で子どもがいない妻、夫の死亡後40歳に達した当時、子どもがいた妻も含む、が40~65歳になるまで受け取ることができます 65歳以降の遺族厚生年金の計算は「夫の厚生年金加入期間に応じた金額の3/4」と「夫の厚生年金加入期間に応じた金額の1/2と本人の老齢厚生年金の1/2の合計」のうち有利な方が支給されます。「まー」さんが年金手続きの際に、説明を受けたのは「夫の厚生年金加入期間に応じた金額の3/4の遺族厚生年金の方が多いから、その遺族厚生年金額から「まー」さん本人の老齢厚生年金を差し引いた金額の遺族厚生年金になる」という意味と思われます。 文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士) 銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。 (文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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