東京Vの谷口栄斗、2戦連続逃げ切り失敗で16年ぶりJ1勝利お預けに…「最後までやり切るのが大事」

東京Vの守備を牽引する谷口栄斗[写真:©超ワールドサッカー]

東京ヴェルディのDF谷口栄斗が、浦和レッズ戦でのドローを振り返った。

16年ぶりにJ1の舞台に帰還を果たした東京Vは、横浜F・マリノスとの“クラシコ”となった開幕節のホームゲームで1-2の逆転負け。2008年10月8日の大宮アルディージャ戦以来となるJ1での勝利を逃した。

そういったなか、3日に埼玉スタジアム2002で行われた明治安田J1リーグ第2節の浦和戦では完全アウェイの状況のなかで今季初白星を目指した。

立ち上がりから堅い展開となったこの一戦において東京Vは、前半終了間際の42分にセットプレーの二次攻撃からFW木村勇大のJ1初ゴールで先制に成功。後半も半ば過ぎまでは危なげなくゲームをコントロールしたが、課題の追加点を奪えず。

すると、次々に攻撃的なカードを切って攻勢を強めた浦和に押し込まれると、横浜FM戦と同様に最終盤に与えたPKをDFアレクサンダー・ショルツに決められて逃げ切りに失敗。その後、2試合連続の逆転負けこそ回避したものの、1-1のドローでまたしても初勝利はお預けとなった。

個人としては2試合連続で安定したプレーをみせ、昇格プレーオフでも対峙した元清水エスパルスの主砲チアゴ・サンタナら浦和のアタッカー陣を封じ切った谷口。

自身を含めプレー強度、守備面での手応えを感じながらも、開幕戦に続き押し込まれた末にPKで追いつかれた試合のクローズの課題を口にしている。

「マリノス戦で自信を得られたので、そこは継続してできましたが、自分の感覚としては、ちょっとラインがマリノス戦と比べると、少し重かったかなと感じています。ハーフタイムに前節と同じように受け身にならないというのは話していましたが、選手交代などでもう一度パワーを使えればよかったですが、そうすることができなくて、ずっとああいう時間帯が続いてしまって最終的にPKになってしまったという感じです」

「どうしてもああいう時間帯になると、引いてしまう傾向があると思います。ただ、しっかり勇敢にラインを上げてボールホルダーに行くというのが僕たちのサッカーだと思うので、やっぱりああいう時間でもそういう戦いをしなければ…。(J1では)クオリティのある選手が多いので、クロスボールだったり、中での仕事というのができてしまうので、そういうところをしっかりと最後までやり切るのが大事になってくるかなと思います」

また、選手の質、選手層に関して「そこの部分で少しクオリティが落ちるというか、相手のクオリティに劣る部分がある」と率直に語る24歳は、「しっかりと組織的に戦うというのが、すごく大事になってくる」と、“持たざる者”としてコレクティブな戦いの重要性を説く。

浦和戦での勝ち点1獲得によって開幕戦から半歩前進という状況のなか、今後の戦いに向けてはJ2・3位で昇格したチームという現実を受け止めつつ、この2試合で得た自信、手応えを結果に繋げていきたい考えだ。

「僕たちはJ2の3位から上がってきたチームですし、そんな甘くないということは分かっていますし、これが普通というか、J1の厳しさを痛感した2試合だったので、自信というか、手応えはあるので、自信を失わないことがすごく大事になると思います。しっかりとチームとしてそういうところを共有し、次にまた挑めればと思います」

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