ブラジル、2023年は2.9%成長 第4四半期は減速傾向

Gabriel Araujo

[サンパウロ 1日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が1日発表した2023年の国内総生産(GDP)は前年比2.9%増となり、大方のエコノミスト予想を上回った。だが昨年第4・四半期は減速傾向が続いた。

昨年序盤は農業生産が好調だったほか、大豆など農産物の輸出も拡大。底堅い雇用情勢と社会福祉政策も消費を下支えした。

だがエコノミストは、そうした状況が今年は変わると予想している。農業生産の減少が見込まれる上、高止まりする借り入れコストが消費を圧迫するためだ。同国中央銀行は昨年8月以降で政策金利を合計250ベーシスポイント(bp)引き下げたが、政策金利は今なお11.25%の高水準にある。

IBGEによると、昨年第4・四半期のGDPは前期比で横ばい、前年同期比で2.1%増だった。エコノミスト予想は前期比0.1%増、前年同期比2.2%増となっていた。

キャピタル・エコノミクスのチーフ新興国市場エコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は「ブラジルの第4・四半期GDPの停滞と家計支出の減少により、経済の勢いが急速に失われたことが確認された」と指摘。「成長は向こう数四半期にわたり上向くと予想されるが、当社は2024年のGDP成長率が1.3%にとどまるとする従来見通しへの確信を強めた」と述べた。

© ロイター