電通デジタル、2030年の未来トレンドをまとめた「電通未来曼荼羅2024」を発表 22のテーマを刷新

電通デジタルと国内電通グループ5社は共同で、2030年までに起こるとされるトレンドをまとめ、未来起点の経営戦略立案や新規事業、サービス開発に活用できる「電通未来曼荼羅2024」を発表した。

中期未来予測ツール「電通未来曼荼羅」は2010年に提供を開始し、「人口・世帯」「社会・経済」「科学・技術」「まち・自然」の4つのカテゴリーにトレンドテーマを網羅的に分類。それぞれの概要とデータ・関連トピック、それらが未来にもたらす変化や重要になる視点をまとめたものだ。

「電通未来曼荼羅2024」は時代の変化に合わせて前年度版から22のテーマを刷新し、72のトレンドテーマを設定。2030年までの6年間に起こり得る未来トレンドの中において、近年急速な広まりを見せ、今後のビジネスに多大な影響を与えると予測される価値観やテクノロジー、社会動向を踏まえている。

追加されたトレンドテーマ例としては、以下が挙げられる。

・単一的な経済指標から、多元的な豊かさ指標へ
経済実績と社会発展の尺度としてGDP(国内総生産)が活用されているが、“所得と消費がもたらす豊かさ”とは、幸福度、潜在能力、健康、社会的つながりなど包括的な人間の豊かさから見ればほんの一部に過ぎず、今後単一的な経済指標のみならず、多元的な豊かさ指標を確立する動きが活発化していく。

・多死社会、終末デザインビジネスが拡大
2030年に向けて年間死亡者数は増加傾向。死と向き合う機会も時間も多くなり、死生観や死に対するイメージ、死への向き合い方を捉え直す動きが活発化する。また家族が終活や葬儀を担ったり、墓を継承したりするのがさらに難しくなる中、デジタルも活用して「他人や自然環境に迷惑をかけない」エンディングデザインが普及拡大。AIによる故人再現サービスの進展により、デジタル上で「永遠に生き続ける」ことも可能に。

・時間資源の貨幣化による新たな経済圏
すべての人に等しく分配されている時間という資源。特に若い世代がタイパ(タイムパフォーマンス)を重視すると言われており、そこに大きな経済圏が形成され始めている。

・多様化し拡大するジェンダーテック
女性の健康に関する課題をテクノロジーで解決することを目指す「フェムテック」の動きは世界中に広がり、それは「生物学的性/性自認/性的指向/性表現」において、あらゆるジェンダーを対象としたジェンダーテックへと拡大。さらには生物学的・社会的性差分析を取り込むジェンダード・イノベーションという概念が生まれ、その市場の拡大が見込まれる。

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