日本にビルマ戦線資料館を 日英元兵士設立団体が準備

インパール作戦を紹介する雑誌に掲載されている、行軍する兵士(国立公文書館所蔵)

 第2次大戦でビルマ(現ミャンマー)を占領した旧日本軍が英領インド北東部の攻略を目指した「インパール作戦」開始から3月8日で80年。作戦を含むビルマ戦線で戦った日英両国の兵士の手記などを集めた資料館を日本に建設しようと、日英の退役軍人が設立した在英民間団体が準備を進めている。関係者は戦争体験者が少なくなる中、後世の歴史検証と平和構築に役立てたいと願う。

 平野に水田が広がる山形県庄内町。旧日本陸軍中将でインパール作戦からの撤退を独断で決め、部下の命を救った第31師団長の佐藤幸徳(1959年死去)の故郷で、資料館構想は進んでいる。

 主導するのは日英の和解と相互理解を目的に83年、英国に設立された「ビルマ作戦協会(旧ビルマ作戦有志の会)」。現在会長を務めるマクドナルド昭子さん(72)の父、浦山泰二さんは佐藤の部下としてインパール作戦に参加し、撤退命令を受け生還。2018年に95歳で他界した。

 英国人と結婚し、同国で長年暮らす昭子さんはビルマ戦線で戦った多くの退役英軍人と対話を重ねてきた。

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