ももクロ 玉井詩織[ライブレポート]多彩な魅力を届けた初のソロコンサート

玉井詩織ソロコンサート<いろいろ>東京国際フォーラム ホールA(2024年3月3日/©︎増田慶・髙田真希子)

ももいろクローバーZの玉井詩織は、3月2日(土)、3日(日)のに東京国際フォーラム ホールAにて、キャリア初となるソロコンサート<いろいろ>を開催した。

2023年のソロ曲12ヵ月連続配信リリースプロジェクト『SHIORI TAMAI 12Colors』の集大成でもあり、玉井にとって新たなチャレンジでもあった今回のソロコンサートは、タイトルどおり、玉井の“いろいろ”な才能と魅力が存分に感じられる内容となった。

本記事は、両日ソールドアウトとなったため、急遽ABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生配信されたDay2のオフィシャルレポートをお届けする。

黄色のペンライトで埋め尽くされた会場内に、ライブの始まりを告げる今回のソロコン仕様の特別なOVERTURE「SHIORI ture」が流れると、舞台幕と両サイドのモニターには、真っ白な衣装を着た玉井がライブペイントをしている映像が映し出される。今回のタイトル<いろいろ>を象徴したこの映像は、たびたびライブ中の幕間映像としても映し出され、映像の中でペイント作品が徐々に完成へと向かっていく内容となっていた。

「SHIORI ture」が終わり、幕が落とされると、お立ち台の上でエレキギターを抱える玉井が姿を現す。歓声に包まれながら、昨年7月配信の「HAPPY-END」でライブはスタート。さながらロックスターのような白の衣装でギターを鳴らして歌う玉井の姿、6人編成の生バンドと黒い衣装の4人のダンサーによるパフォーマンス、そして、カラフルな照明とレーザーの演出も相まって、タマノフ(玉井のファンの総称)のテンションも一気に高まり、間奏では、歓声とコールも加わっていく。すると、バンドのライブのような雰囲気のまま、2曲目「ROCK THE BOAT」へ。玉井のクールなセリフパートもあり、ももクロのライブでもひと際盛り上がる人気曲だ。もちろん、2度の“揺らしちゃう?”とラストの“You gotta rock the boat”のセリフパートでは、会場から大歓声が上がった。続いて3曲目は、『SHIORI TAMAI 12Colors』の第1弾となった「暁」。イントロでの“みなさん、<いろいろ>へようこそ! 今日は最後まで楽しんでいってください!”という玉井の煽りに、タマノフも声援で応える。

続いて、アコースティックギターを手にすると、「日常」とコアラモード.が手掛けた「泣くな向日葵」の2曲を披露。「日常」のラストで、“今日が特別な毎日になるように”と優しく歌い終えると大きな拍手と歓声が上がった。また、「泣くな向日葵」のサビで、会場中のタマノフが黄色のペンライトとタオルを回す景色も圧巻だった。ももクロ結成当時、“泣き虫で甘えん坊な、みんなの妹”キャラだった玉井が、ももクロ結成16年目を迎え、自分のソロコンでギターを弾きながら“ひとりで泣くな、泣くな向日葵”と堂々と笑顔で歌う姿に、逆にウルっと来てしまった古参ファンもいたのではないだろうか。

ここで再び、ももクロ楽曲を挟む。ロックフェスでもたびたび披露される人気曲「孤独の中で鳴るBeatっ!」だ。いつもはメンバー4人が並んでスタンドマイクで歌うのだが、今回、玉井はハンドマイクを持ち、ステージ下手側から上手側へと移動しながら歌っていく。タマノフたちもももクロ楽曲になると、ここぞとばかりにコールに力が入る。特に、この曲のBメロでの“しーおり”コールは、会場が割れんばかりのパワーを秘めていた。このように、ももクロ楽曲もソロコンで聴くと、また違った輝きを放つから不思議だ。続いて、青い照明に照らされる中、miwa提供による「マリンブルー」へ。この曲では、青と黄色のペンライトで染まった景色が印象的だった。今回のグッズのペンライトは、ライブ演出に合わせてカラーが変わる無線コントロール式だったため、このように、楽曲ごとに色を変えて、会場に彩りを添えていた。

衣装チェンジを経て、後半戦は「Another World」でスタート。昨年の15周年記念ツアー<QUEEN OF STAGE>のソロコーナーでもダンサーを従えて披露した1曲。今回も4人のダンサーとともにパフォーマンスし、さらに、「Eyes on me」、TeddyLoidが手掛けた全編英語詞の「Spicy Girl」へと続く。この3曲は、カラフルな衣装を細かくチェンジしながら、ダンサーとともに魅せるダンスブロックとなっていた。

そして、再び、舞台幕が降りて、ライブペイントの映像を挟むと、次の曲からは会場の空気が一変。幕が上がり、ドレス風の衣装にチェンジした玉井がピアノを弾きながら歌い始めたのは、自らが作詞を手掛けたバラード曲「Sepia」だった。玉井自身が書いた歌詞だからこそ、その一言一言により惹きつけられるのだろう。玉井の後ろに映し出された歌詞をじっと見つめ、噛み締めながら聴き入っているタマノフの様子がとても印象的だった。そのままピアノを弾きながら、ドレスコーズ志磨遼平が手掛けた「宝石」、さらに、志磨が手掛けたももクロ楽曲「天国のでたらめ」へと続く。玉井がステージ後方からのライトに照らされる中、「天国のでたらめ」のイントロが流れると、会場からは、ざわめきにも似た歓声が上がった。この曲を予想していたファンは少なかったのだろう。今回のセットリストの中でもいい意味で異彩を放っていたのではないだろうか。バラードを中心としたこの3曲は、直前のダンスブロックとはまた異なる、玉井の新たな魅力を引き出すブロックとなった。

冒頭の「SHIORI ture」から14曲が終わったところで、最初のMCパート。お決まりのももクロの自己紹介を経て、ABEMAで観ているファンにメッセージを送ると、客席を煽りながら次の曲へ。ここで、Day2だけのスペシャルゲストとして、ベーシスト/プロデューサーの亀田誠治をステージに呼び込んだ。亀田がベーシストとしてバンドに加わると、亀田が編曲を手掛けたGLAYのTAKURO作詞&作曲の「We Stand Alone」と亀田が作詞&作曲&プロデュースを担当した「ベルベットの森」の2曲を披露。玉井詩織と亀田誠治のライブでの初コラボは、ソロコンに特別な彩りを添えた。さらに、「We Stand Alone」では、初日にファンを驚かせた玉井のサックス演奏も。初日は緊張も感じられたが、2日目はサックス演奏の前後に笑顔も見られ、亀田と向かい合って演奏するシーンも。

そして、本編最後に披露されたのは最新曲「Shape」。玉井は、おでこを出したヘアスタイルと黒のパンツスーツ姿で、4人のダンサーとともにクールにパフォーマンス。ダンススキルの高さも見せつけ、黄色のペンライトが大きく揺れる中、“I chose this you”というセリフを残し、大歓声に包まれながらステージを後にした。

盛大な“しおり”コールを受けて、アンコールに突入すると、玉井はスウェット姿でアコースティックギターを抱えて登場。会場で約5,000人のファンが、さらに、配信でも全国のファンが見守る中、初めてのソロ曲「...愛ですか?」を弾き語りで披露。“初めていただいたソロ曲だったので、成長した姿を見てほしくて、バンドじゃなくて弾き語りに挑戦しました”と語った。

続いては、本編最後に披露した『SHIORI TAMAI 12Colors』に続く最新曲『Shape』の話へ。オルタナティブロックバンド・鋭児の及川千春が作詞&作曲を手掛けていることもあり、今回のバックバンドには、鋭児から及川ら3人のメンバーが参加していることが紹介された。さらに、振り付けをs**t kingzのshojiが担当したことが発表されると、客席にいるshojiがモニターに映し出されるシーンも。世界で活躍するダンスパフォーマンスグループで、国内外多数のアーティストの振付を手掛けるs**t kingz。過去には<ももいろ歌合戦>で玉井詩織と佐々木彩夏とコラボステージを披露しており、今回、玉井の念願が叶って、「Shape」で約3年ぶりのタッグが実現した。

ここでは、さらに、ファンにはたまらないサプライズ発表も。まずは、6月4日(水)に、玉井詩織1stアルバムをリリースすることを発表。『SHIORI TAMAI 12Colors』全12曲と最新曲「Shape」に加え、ボーナストラックも収録予定だ。そして、もう1つ、今回のソロコンサート<いろいろ>Day2の模様を収録した映像作品も6月にリリースされることをアナウンス。それぞれ、詳しい情報は追ってホームページなどで発表される。

バンドメンバーが再びステージに揃うと、“今回の<いろいろ>のコンセプトにぴったりなももクロ曲を用意してきました”というMCを経て、玉井の弾き語りから「モノクロデッサン -ZZ ver.-」へ。曲中、照明やペンライトがカラフルに光る様子も印象的だったが、後半の歌詞“ももクロが世界にいろんな色落としてく”の部分で、ステージの照明が、左から、ピンク・赤・黄色・紫の4色になった瞬間も印象的だった。そして、ダンサー紹介とバンドメンバーの紹介を経て、「走れ! -ZZ ver.-」へ。やはり、ソロコンでもこの曲は外せない。歌い出しもサビも落ちサビも玉井の声で歌われる「走れ!」は新鮮だったが、会場全体を染めた黄色いペンライトが揺れる景色とモノノフの全力コールの一体感は忘れられない。

そして、おそらく今回集まった全タマノフが聴きたかったであろう「涙目のアリス」でアンコールも終了。最後に、改めてサプライズゲストの亀田誠治もステージに登場すると、記念撮影をして、2日間にわたる玉井詩織の初のソロコンは幕を閉じた。

なお、ABEMAでは、3月18日(月)18:00から、今回のソロコンの完全版の配信がスタート。3月24日(日)までは見逃し配信も行なわれる。

改めて、今回の初ソロコンサート<いろいろ>では、多才で多彩な玉井詩織に触れることができたのではないだろうか。かつては“スーパーサブ”と呼ばれ、ももクロメンバーの中で、最後のソロコン開催となったわけだが、現在のバラエティや舞台などでのソロでの活躍については言うまでもなく、そして、2023年は1年間かけて、ソロ歌手としても“いろいろ”な楽曲やクリエイターと出会い、その才能を伸ばし続けて来た。まさに、1番仕上がった状態での、最高のタイミングでの初のソロコン開催。歌唱・楽器・ダンスといった音楽面における玉井詩織の集大成だったと言ってもいいだろう。そして、今回のソロコンで、玉井はさらなる経験値を獲得した。これからも“いろいろ”な可能性を見せてくれるに違いない。

なお、1stソロアルバム『colorS』は、2023年1月から12ヵ月連続でソロシングルをリリースしてきた『SHIORI TAMAI 12colors』で配信された12曲に加えて、先日配信リリースした新曲「Shape」、さらにボーナストラック3曲も収録予定。

TeddyLoidが楽曲提供した「Spicy Girl」や、コアラモード.が楽曲提供した「泣くな向日葵」、miwa作詞&作曲の「マリンブルー」、亀田誠治が楽曲提供した「ベルベットの森」、GLAY・TAKURO作詞&作曲の「We Stand Alone」など、ジャンルを問わず多様なアーティストによって手掛けられた楽曲が収録される同作は、”colorS”というタイトルのとおり、色とりどりの玉井詩織を余すことなく表現したアルバムとなっている。

初回限定盤と通常盤の2形態でのリリースとなり、初回限定盤にはソロコンサート<いろいろ>のライブ音源を収めたCDと、メイキング映像やMVを収録したBlu-ray、さまざまな企画を盛り込んだ豪華ブックレットが収録される。ここでしか聴けない、観られないコンテンツが満載となっているので、ぜひチェックしよう。

購入予約もスタートし、法人別オリジナル特典も決定。法人ごとに絵柄が異なる「SHIORI TAMAI 12Colors フィルムカードセット」となっている。また、同作の特報映像も公開された。

玉井詩織1stアルバム『colorS』やソロコンサート<いろいろ>LIVE Blu-ray、その他の詳細は、今後随時発表されていく。

玉井詩織ソロコンサート<いろいろ>

玉井詩織 1stソロアルバム『colorS』【初回限定盤】

玉井詩織 1stソロアルバム『colorS』【通常盤】

【法人別オリジナル特典】

SHIORI TAMAI 12Colors フィルムカードセット

Amazon-(1月・2月柄)

楽天ブックス-(3月・4月柄)

セブンネットショッピング-(5月・6月柄)

タワーレコード-(7月・8月柄)

HMV-(9月・10月柄)

TSUTAYA-(11月・12月柄)

しおりん応援店-(アルバム柄)

※応援店は追って特設サイト・公式SNSにて告知させていただきます。

玉井詩織 1stソロアルバム『colorS』

発売日:2024年6月4日(火)

玉井詩織ソロコンサート『いろいろ』LIVE Blu-ray

発売日:2024年6月予定

※詳細は追って発表

玉井詩織「We Stand Alone」

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玉井詩織「ベルベットの森」

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玉井詩織「宝石」

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玉井詩織「Sepia」

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玉井詩織「マリンブルー」

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玉井詩織「HAPPY-END」

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玉井詩織 「泣くな向日葵」

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玉井詩織 「Spicy Girl」

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玉井詩織 「Eyes on me」

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玉井詩織「日常」

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玉井詩織「Another World」

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玉井詩織「暁」

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玉井詩織「Shape」

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