マネタリーベース、2月は2.4%増に鈍化 残高は昨年3月以来の低水準

Takahiko Wada

[東京 4日 ロイター] - 日銀が4日に発表した2月のマネタリーベースの平均残高は、前年比2.4%増の661兆6688億円だった。残高は前月を下回り、昨年3月以来の低い水準。税金や保険料の国庫納付などで日銀当座預金が前月より減った。伸び率も前月の4.8%を下回った。前年同月に比べて国債買い入れが大幅に減ったことなどが要因。

マネタリーベースの内訳は、日銀当預が3.1%増の535兆6508億円。残高は前月の540兆3607億円を下回った。伸び率も前月の6.1%を下回った。2月の日銀の国債買い入れ額は5兆9477億円で、前年同月の9兆3972億円を大きく下回った。前年同月は、金利低下を意図して共通担保オペを実施したことも当預の押し上げ要因となっていた。

紙幣は0.6%減の121兆2722億円。前年比マイナスは3カ月連続で、引き続き1991年4月以来の減少率。キャッシュレスの進展が背景とみられる。貨幣は1.8%減の4兆7458億円だった。

2月末のマネタリーベース残高は664兆5586億円で前月を下回った。

マネタリーベースは、市中に出回っている現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計値で、日銀が供給する通貨を表す。

(和田崇彦)

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