女子中学生2人が女性保護 下館南中3年 息の合った幼なじみ 茨城県警筑西署から感謝状

感謝状を贈られた(右から)岡田蒼生さん、石川苺花さん=筑西警察署

帰宅困難になっていた高齢女性を保護したとして、茨城県警筑西警察署(長塚憲章署長)は、いずれも同県筑西市立下館南中3年の岡田蒼生さん(15)、石川苺花さん(15)の2人に感謝状を贈った。2人は幼なじみの級友で、息の合った行動で女性を自宅まで送り届けた。

同署などによると、2人は高校受験を終えた帰り道の1月16日午後4時過ぎ、自転車で通りかかった筑西市二木成の駐車場で、80代の女性から「二木成ってどこですか」と声をかけられた。

女性は上着を1枚羽織っただけの薄着に見えたが、当時の気温は約2度。日没も迫る中、落ち着きのない様子から「どこかに行ってしまいそうな感じで、1人で帰しちゃいけないと思った」(岡田さん)。

2人とも携帯電話を持たず、自力で女性を自宅まで送り届けようと決めた。女性が持っていた紙に自宅の住所を発見し、周囲の人に道を尋ねながら約1時間かけて到着。家族に引き合わせるとともに、駆け付けた同署員に事情を伝えた。女性は同日朝から行方が分からず、家族が行方不明届を出していたという。

2人は同じ保育園、小学校に通った幼なじみで、下館南中でもクラスメート。将来の夢も看護師と口を合わせる。石川さんは「1人だったら厳しかったけど、2人で連携を取ってできたから良かった」と笑顔で振り返った。

長塚署長は、当日の夜の気温が氷点下に達したことを踏まえ「2人の付き添い活動が女性の命を救った。大変素晴らしく、なかなかできることではない」とたたえた。

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