愛用した“茶せん”に感謝 赤々とした火に包み供養 伝統文化を次世代に/岡山・津山市

茶道裏千家淡交会津山支部(山本雅彦支部長)は3日、茶せんの供養を岡山県津山市小田中の聖徳寺で開き、愛用した道具に感謝するとともに、さらなる精進を誓った。

安土桃山時代の茶人・千利休の命日(旧暦2月28日)に近い、3月の第1日曜日に実施している恒例行事で、同会の役員や会員約70人が参加した。境内で阿形覚昇住職(59)が読経する中、使い古した茶せん約80本に火が灯され、参加者は赤々とした火に包まれていく様子を見た後、静かに手を合わせた。

供養に先立って本堂では「利休忌」が開かれ、茶聖をはじめ先人や亡くなった同門らの慰霊が営まれた。厳かな雰囲気の中、尊像に点てた茶を供えた後、みな故人の遺徳をしのんだ。

親子で参加した鏡野町古川の木下みほさん(46)は「茶道の稽古に励む人たちにとっては大切な行事。日本の伝統文化を次世代につなげていけるよう、子どもたちにも伝えたい」。娘の結架子ちゃん(4)は「お茶を点てるところを見た。おもしろそう。これからお母さんと一緒に頑張ってみたい」と話していた。

利休の尊像に点てた茶を供える阿形住職

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