あごまわりやほうれい線のたるみに気づいたら、慌ててマッサージ。でも、そんなことよりはるかに簡単で、すぐに効くストレッチがあるという。
「マスクを外して自分の顔を鏡で見たとき、あまりにもむくんでほうれい線がくっきりした“ブルドッグ顔”で、思わず悲鳴をあげてしまいました」(50代・女性)
今は花粉症シーズンなので、マスクをつけている人も多いだろうが、油断は禁物。
「顔がむくんでしまったときやほうれい線が気になったときは、顔を直接マッサージしたくなりますが、じつは“背中”が重要なのです。背中のこわばりやハリを取る体操も一緒に行うと、顔のラインがスッキリしてきますよ」
そうアドバイスするのは、『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)の著者で、「Amazing♡beauty」代表の村木宏衣さん。
エイジングデザイナー、メディカルエステティシャンとして30年以上のキャリアを誇る村木さんは、顔などの悩みに対し、顔だけでなく体のゆがみやねじれを正すなど、根本的な解決方法を提案している。
顔がむくみ、ほうれい線が刻まれた“ブルドッグ顔”は年齢のせい、と思う人もいるが、じつは姿勢の悪さが影響しているという。
「長時間、パソコンやスマホの見すぎで、首から肩、背中がバキバキに凝っている人は要注意です。猫背で首が前に突き出て、巻き肩になり、首が伸びない姿勢が長く続くと、肩甲骨から背中にかけて、ハリ、こわばりが出てきます。このこわばりによって顔の筋肉が下に引っ張られ、たるみが生じるのです。猫背で呼吸が浅いことも間接的に顔まわりに影響します。
呼吸は肺だけが動いているのではなく、大胸筋や肋骨と肋骨の間にある肋間筋や、その奥の横隔膜も使っているので、これらの筋肉が猫背で凝り固まると、浅い呼吸になってしまいます。すると肺に取り込める酸素の量が減ってしまい、全身の血のめぐりが悪くなり代謝が落ちて、顔がむくみやすくなるのです」(村木さん、以下同)
さらに、自律神経の働きが鈍って睡眠の質が悪くなる、など体調不良につながることもある。たかが顔のむくみと放っておかないで、しっかりと対処することが、不調の連鎖をストップすることにもつながる。
「用意するのは『バスタオル1枚』だけ。自宅のリビングや寝室などの空きスペースを使って、スキマ時間にいつでもできます。背中がゆるんでこわばりやハリが解消されると、姿勢が改善されて首が伸び、顔のたるみも解消されて小顔効果が出てきます。実際に片方だけやってみると、明らかに引き上がっているのがわかりますよ」
そこで、長時間パソコン作業が続き、万年猫背で“ブルドッグ顔”の本誌記者がトライ!
【STEP1】バスタオルを横に敷き、端の2カ所をつかむ
あおむけのときは膝は伸ばさず、立てて両膝をつけたほうがラク。
「腕が伸びた状態になるようにつかみ、バスタオルがたるまないようにピンと張ると効果を感じます」
この段階で、すでに両肩のまわりが伸びてきた。
【STEP2】バスタオルで体を包むように引っ張る
体を倒す際には、「強めに引っ張りながら、背中を伸ばす感覚で、バスタオルで体を包むように覆います。背中の筋肉に刺激がいくように圧力をかけると気持ちいいです」
【STEP3】背中を伸ばした まま5回深呼吸をする
「背中側の肋骨あたりに息がしっかりと入るのを感じながら深呼吸を5回。肋骨が開いたり、閉じたりするのを感じます」
【STEP4】右側をやったら 次は左側も同じ要領で
STEP1〜4を1セットとし、まずは1日1セット。時間帯はいつでもいいが、寝る前にやると入眠を促す効果も期待できる。
万年猫背の本誌記者は、片側をやっただけで、肩まわりや肩甲骨のあたりがほぐれた。恐る恐る顔を鏡で見てみると、口角がグッと上がり、シャープな輪郭が戻っているではないか!
「しかも、呼吸がしやすくなるので、浅い呼吸ではなく深い呼吸になって、代謝がアップして睡眠の質も上がってきますよ。ただし、セルフケアは続けることが大事。バスタオルで簡単にできるので、毎日の習慣にしましょう」
健康をキープするのはもちろん、マスクを外したときに笑顔を見せられるように、今から続けよう。