日経平均が初の4万円、米半導体株高で上昇に弾み 過熱感への警戒も

Noriyuki Hirata

[東京 4日 ロイター] - 4日の東京市場で日経平均が史上初めて4万円の大台を捉えた。週末の米国株式市場で、ハイテク株で構成されるナスダック総合が連日で最高値を更新した流れを引き継ぎ、上昇に弾みがついた。来期の増益を踏まえると適正価格の範囲内との見方がある一方、急ピッチな上昇への警戒感もくすぶる。

日経平均は、前営業日比290円高で続伸してスタート。寄り付きから史上最高値を更新し、初の4万円台となった。指数が象徴的な節目を上抜ける中で、投資家の関心も高まったようだ。SBI証券では9時頃から30分程度、スマホアプリのログインがしにくくなった。「アクセスが一時的に集中したことが影響したようだ」(同社広報)という。

その後も日経平均は一時400円超高の4万0314円64銭まで上値を伸ばした。相場のけん引役は、引き続き東京エレクトロンなど半導体関連株で、アドバンテストと信越化学工業を加えた3銘柄で180円超、指数を押し上げている。

前週末のフィラデルフィア半導体(SOX指数)は4%高と大幅上昇。人工知能(AI)への期待からテクノロジー株への買いが継続していることが相場をけん引。米国債利回りの低下も押し上げ要因になった。

市場では、日経平均の4万円の水準について「2024年度に5─8%の増益を想定すれば適正価格の範囲内といえ、ファンダメンタルズで正当化できる」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)との受け止めが聞かれる。

日本企業の業績に対する期待や、上場企業の株価を意識した動きに対する思惑は投資家心理を支える材料として変わっていないとして「目先の日経平均は4万円台での値固めとなりそうだ」(岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部部長)との見方があるほか、モメンタムがついているとして「4万2000円程度までスルスル上昇していく可能性もある」(井出氏)との声もある。

AI(人工知能)や半導体を巡るニュースに関しては、今のところポジティブな内容しか出てこないとして「今後何かしらの悪材料が出てくる可能性があるとすると、米主要ハイテク企業の1─3月期決算といったところだろうか。それまで約2カ月間は、AI・半導体株主導の株高が継続するとみている」(大和証券の細井秀司シニアストラテジスト)との見方も聞かれた。

一方、25日移動平均線からの乖離率が、5%で買われ過ぎとされるところ足元で6.8%となっており、短期的な過熱感の高まりへの警戒感もくすぶる。「半導体市場の先行きを考えると良好かもしれないが、半導体関連銘柄に買いが集中しているところは、やや気になる」(岩井コスモの有沢氏)との指摘もあり、一部の大型株への物色の偏り解消は、上昇基調の継続に向けて焦点の一つになりそうだ。

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