首相「裏金説明継続を」 4月の衆院解散否定、参院予算委

参院予算委で答弁する岸田首相=4日午前

 岸田文雄首相は4日の参院予算委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の真相解明に向け「実態把握について、引き続き政治倫理審査会などで説明が行われなければならない」と述べ、継続して説明責任を果たすよう関係者に求めた。4月の衆院3補欠選挙に併せる形で衆院解散に踏み切る考えがあるかどうか問われ「全く考えていない」と否定した。安倍派に所属した下村博文元文部科学相は、衆院政倫審に出席する意向を党幹部に伝えた。

 2024年度予算案が異例の土曜審議を経て2日に衆院通過したのを受け、参院予算委は基本的質疑を実施。参院での論戦が本格化した。

 立憲民主党の辻元清美氏は、首相と安倍、二階両派幹部計6人が出席した先週の衆院政倫審では出席者の説明に食い違いがあったと指摘。「首相は真実を解明したいとの思いでなく、予算審議を強行するための通過儀礼にした」と批判した。

 立民の石橋通宏氏は、11日の週にも開催する方向で調整中の参院政倫審に、自民議員が出席するよう首相が指示すべきだと要求した。

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