【リーグワン】38歳レジェンドPRがひと押し スティーラーズ山下裕史がレギュラー奪還に向けてメラメラ

プロップ・オブザ・マッチ

雨でボールの展開が難しい中、セットプレーが重要な試合となった。リーグワンDIVISION1第7節、コベルコ神戸スティーラーズは粘るホスト・リコーブラックラムズ東京を27-17で下した。

スクラム戦は前半は互角だったか。日本代表経験のある中島イシレリ、具智元の両PRが構えるスティーラーズに対して、ブラックラムズはHO武井日向を中心に速く、低いセットで対抗した。

後半に入るとスティーラーズが1本ぐっと押し込んだ。前に出ていたのは具と入れ替わりで3番に入った山下裕史。身長183cm、体重120kgという巨漢。この人も日本代表キャップ51を誇り、幾度も世界を押してきたレジェンドPRである。

試合後に話を聞いたところ、「スクラムの感触は良かったです。ターンオーバーはできませんでしたが、相手にプレッシャーをかけることができました。リコーはスクラムからネイサン・ヒューズが8番で突破するのが得意なチーム。そのパターンをスクラムで崩そうというプランでした」と語った。

今年の1月に38歳を迎えた大ベテランだが、闘志は衰えていない。今シーズンはこの試合がまだ3試合目の出場、レギュラー奪還に向けてメラメラと燃えていた。

これまで出場機会が少なかったことについて、「今年はすごい転換期でしたね。開幕から出れると思ったら出られなかったので。なんでや、と思うこともありましたけど年も年なんで腐ってもいいことないですし。何かを変えないと、と思ってシンプルですけど練習前にバイクを漕いだり、腕立て伏せをしたりしています」と振り返った。

「今ラグビーをしてて楽しいんですよ」とも語る山下。あらためてプロップというポジションの魅力についても聞いてみた。「噛めば噛むほど味が出る、というんでしょうか。(プレーの効果が)すぐには出ない。トライのようなビッグプレーもないですし。でも、例えばウィングのトライの起点にはいいスクラムがあったりする。そういうスクラムが組めた時は僕も嬉しいです」と笑顔で答えた。

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