ウクライナのドローン38機を撃墜、クリミア半島 ロシアが発表 

ロシア国防省は3日、ウクライナ南部クリミア半島でドローン(無人機)38機を撃墜したと発表した。クリミアはロシアが2014年に不法併合しており、ウクライナがドローン攻撃を仕掛けたとみられる。

オンライン投稿された動画には、クリミアの都市フェオドシヤの燃料貯蔵庫付近で起きたとされる爆発が映っている。

この攻撃で、クリミアとロシアを結ぶケルチ橋は一時閉鎖された。

ロシア当局は被害について発表していない。現地の人々は、窓ガラスが揺れたり車のアラームが鳴ったりしたと話している。

ウクライナも自軍の関与を発表していない。

ヘルソンなどでロシアによる攻撃

ウクライナ当局は3日、南部ヘルソン州でロシアによる攻撃があり、1人が殺害され3人が負傷したと明らかにした。

また、東部ドネツク州クラホフ町でもロシアによる砲撃があり16人がけがを負ったとした。

前日2日には、南部の港湾都市オデーサのアパート群がロシアのドローンによって攻撃され、子ども5人を含む少なくとも12人が殺害された。これを受け、オデーサ州は3日を喪に服す日とした。

このところ、ウクライナが西側諸国からの武器の入手に苦労する一方で、ロシアは東部の要衝アウディイウカを制圧するなど戦果を上げている。

ただ、ロシア側にも多大な犠牲が出ていると、イギリスの軍情報当局はみている。2月のロシア側の1日あたりの死傷者は983人で、2年前にウクライナへの本格侵攻を始めて以来、最も多い月となったと分析。死傷者の総数は35万5000人を超えている可能性が高いとしている。人数の算出方法は不明。

ロシアは死傷者数を発表していない。

一方、ウクライナの犠牲については、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が先月25日、ロシアによる全面侵攻以降で兵士3万1000人を失ったと説明した。ゼレンスキー氏は同時に、ロシア軍の死者は18万人だとした。

クリミアの重要性

クリミアはロシアが空軍基地を置き、兵力を集中させ、訓練場所や黒海艦隊の拠点にもしていることから、ウクライナにとっては重要な標的となっている。

ウクライナは昨年の一時期、クリミア半島奪還のため大規模攻撃に出る考えだとみられていた。

ウクライナはロシアの黒海艦隊への攻撃を繰り返している。これまでで最大の戦果は、2022年4月にロシアの旗艦「モスクワ」を撃沈したことだ。

先月14日には、ロシアの大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」を撃沈したと発表した。

ウクライナはまた、ケルチ橋を狙った攻撃も何度も仕掛けている。この橋はロシア軍にとって重要な補給ルートとなっている。

ウクライナは、クリミアを含めロシアに占領されたすべての領土を奪還すると繰り返し表明している。

(英語記事 Ukraine war: Russia says it intercepts 38 Ukrainian drones attacking Crimea

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