音楽ドキュメンタリー『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタルリマスター』、レゲエ界の生ける伝説の意外な功績を紹介

様々なミュージシャンに多大な影響を与えたレゲエ・ミュージック。[2010年ロックの殿堂入り][1985年『Cliff Hanger』グラミー賞受賞][2013年『Rebirth』グラミー賞受賞]レゲエ界の生ける伝説ジミー・クリフの全盛期を納めたミュージック・ドキュメンタリー『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタルリマスター』が、3月22日(金)より東京・新宿シネマカリテほかにて全国ロードショー。この度、ジミー・クリフの意外な功績をご紹介します。

パトカーのサイレンが鳴り響き、燃えさかる街並みを前に「欲をかくものは、全てを失う」と高らかとアジテートするジミー・クリフ。映画は、二大政党JLPとPNPによる激しい抗争の最中、混沌とした熱気に包まれるジャマイカの風景からはじまります。1980年、故郷サマートンでのフリーライヴ。丘を重機でならし、ステージを一から作る、ボランティアによる手作りのライヴです。地元愛に溢れた素晴らしい演奏を聴かせてくれます。そして南アフリカのソウェト、ドイツのハンブルグと続くツアーにクルーが密着。16ミリフィルムにその熱狂を収めていきます。カルト的人気を得たジミー主演同名映画の楽曲「ハーダー・ゼイ・カム」のほか、日本では車のCM曲で馴染み深い名曲中の名曲「遥かなる河」などセットリストも強力。ボブ・マーリーへの敬愛を込めて歌う「ノー・ウーマン・ノー・クライ」も実に美しい。ヒット曲も多く、ポップな魅力と、キース・リチャーズ、ジョー・ストラマー等々ロック界からも溺愛される反骨精神溢れる、絶頂期のジミー・クリフを捉えた貴重なドキュメンタリー。

カリブ海の小さな島ジャマイカで生まれたレゲエ・ミュージック。70年代その“ヤバいリズム”はロック界に大きな衝撃を与え、クラプトンやストーンズ等様々なミュージシャンに多大な影響を与えました。そして英国のパンク・ムーブメントともrebel music(反逆の音楽)、レゲエは激しく共鳴し合い、鬱屈した当時の若者達をたちまち虜にしました。戦争、自然災害、貧困、孤独、未曽有の危機が日常になってしまった現代社会でこそ、“ヤバいリズム”と“刺さるメッセージ”が“永遠の真理”へと導くrebel music(反逆の音楽)、それがレゲエ。

1962年、ジャマイカがイギリスの300年近い統治から独立した年にデビューしたのがレゲエ界の生ける伝説ジミー・クリフ。レゲエというジャンルが確立する前から音楽活動を始め、ジャマイカの音楽シーンを支えただけでなく、“レゲエの神様”として広く知られるボブ・マーリーよりも先にデビューを果たし、世界にレゲエを広めた立役者です。ジミー・クリフは1972年にジャマイカ初の長編映画『ハーダー・ゼイ・カム』で主人公・アイヴァン役を演じ、映画は世界中でカルト的人気となり大ヒットを記録し、タイトル曲「ザ・ハダー・ゼイ・カム」と共に一躍その名を世界に轟かせました。映画のサントラにも収録された「遙かなる河」は、スバル〈レガシィ〉のCMにも起用され、日本でも久保田利伸や、西城秀樹、小坂忠がカヴァーするなど、よく知られています。その他、レベル・ミュージック(反逆の音楽)の旗手として以外にも、スタンダードナンバーをカヴァーする歌い手としても活躍し、ジョニー・ナッシュの「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」のカヴァーが、ジャマイカの陸上選手と幼なじみがボブスレー競技でオリンピック出場を目指すコメディ映画『クール・ランニング』の主題歌となり、世界中で大ヒット。この楽曲は木村拓哉主演のドラマ『エンジン』のエンディング・テーマにも起用され、聞き馴染みのある方も多いはず。また、映画『ライオン・キング』の「ハクナ・マタタ」でもジミー・クリフの歌声を聞くことができます。そんな意外なところでもその歌声が広く親しまれてきたジミー・クリフの全盛期をデジタルリマスターで体感することのできるミュージック・ドキュメンタリー『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタルリマスター』は3月22日(金)より全国ロードショー。

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