【旬食材】じつは1種類じゃない!おいしい「三つ葉」の見分けかたを種類ごとに野菜ソムリエが解説

日本生まれのハーブである三つ葉は、毎年だいたい年末から出荷量が増え始め、春先から初夏にかけて旬を迎えます。
ひな祭りのお吸い物でしか見たことがない…という人もいるかもしれませんが、それだけではもったいないくらい栄養豊富な野菜です。

名前のとおり「3つの葉」がついているのが特徴ですが、じつはひとくちに三つ葉と言っても種類がいろいろあります。

今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、三つ葉の種類ごとの選びかたを教えてもらいます。

スーパーに出回る三つ葉は3種類

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一般的なスーパーでもっともよく出回っているのは、糸三つ葉または青三つ葉と呼ばれるタイプ。水耕栽培されるもので、根元に小さなスポンジがついている状態で売られていることが多いです。

一方で、「軟化栽培」といって日の当たり具合を調整してやわらかくなるよう育てられたタイプもあり、切り三つ葉と根三つ葉の2種類があります。

名前の通り、切り三つ葉は根を切り落とされた状態で、根三つ葉は根がついた状態で出荷されます。

色の選びかたは種類によって区別を

一般に緑色の野菜は緑が濃いものを選ぶことが多いですが、三つ葉に関してこれがあてはまるのは糸三つ葉にのみです。

切り三つ葉と根三つ葉については逆に、茎が白っぽくなっているものがおすすめ。というのも、そもそも「軟化栽培」は、ホワイトアスパラガスのように白っぽくかつやわらかくなるよう育てられた野菜だからです。

なお、どのタイプの三つ葉も、茶色や黄色に変色しているものは避けましょう。

ピンと張ってみずみずしいものは種類問わず良品

三つ葉は水分量の多い野菜で、体内の水分が減ってしまうと味が損なわれるので、全体的にピンと張ってみずみずしいものを選ぶようにしましょう。この点は3種類どの三つ葉も共通です。

また、切り三つ葉の場合はもし切り口が見える状態で売っていたら、切り口が変色せずみずみずしいものがおすすめ。

もし買ったものが茶色く変色していたら、その部分を切り落としてから使いましょう。

種類ごとに異なる三つ葉の味わいを楽しんで

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糸三つ葉、切り三つ葉、根三つ葉ともに香りがよくビタミンを豊富に含んでいる点は共通していますが、それぞれ楽しみかたに少しずつ違いがあります。

もっとも香りが強いのは糸三つ葉。一方で、切り三つ葉は全体的にやわらかく火を通さなくても食べられるため、茶碗蒸しやお吸い物で最後に添えるのに最適です。

さらに根三つ葉は根も一緒に食べることができて、葉や茎とは異なる風味を楽しめます。

また、糸三つ葉と根三つ葉は、根の部分を土に植えると再び茎が伸びて葉が育ち、収穫して切り三つ葉として食べることもできます。

一度食べたあとも楽しめるので一石二鳥ですね。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。

編集/サンキュ!編集部

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