俵万智さん「歌が栄養に」 若山牧水みなかみ紀行短歌大会でトークショー 群馬

若山牧水の作品の魅力を語ったトークショー

 歌人の若山牧水を顕彰する「第7回若山牧水みなかみ紀行短歌大会」(同実行委員会主催)の表彰式が3日、群馬県のみなかみ町カルチャーセンターで開かれ、全国から寄せられた2147首のうち、108首が入賞、入選した。式後には歌人の俵万智さんと、選者を務めた伊藤一彦さん、小島なおさんによるトークショーが開かれ、俵さんは「牧水の歌が自分の栄養になっている。紀行文も非常に巧みで、旅の風景が頭の中で再生される」などと魅力を話した。

 トークショーは、旅と自然をテーマに、牧水の短歌や紀行文について語り合った。俵さんは牧水の短歌の背景を考察したり、ゆかりの地を訪れた経験を紹介。「牧水の人生を調べると、大変な苦しみを経験してきたからこそ歌が生まれたんだと分かる」などと実感を込めた。

 群馬県からは一般・自由詠の部で大沢澄代さん(高崎市)の「始祖鳥の翔んでた空の色で塗る一年生の運動会の絵」が、高校生以下・題詠「橋」の部で福島環さん(高崎商科大付属高1年)の「お駄賃が緑の募金箱に落ち赤かった橋また赤くなる」がそれぞれ最優秀賞を受賞した。

 大会は、牧水が大正時代にみなかみ町など北毛地域を訪れ、紀行文「みなかみ紀行」を記したことを記念して毎年開かれている。

 他の最優秀賞と、優秀賞の受賞者は以下の通り(敬称略)。

◇最優秀賞▽一般・題詠「橋」の部 篠田和香子(秋田市)▽高校生以下・自由詠の部 平畠彩桜(長野塩尻広陵中3年)◇優秀賞▽一般・題詠「橋」の部 田村鶴江(沼田市)庭野治男(東京都杉並区)▽一般・自由詠の部 佐藤真理子(高崎市)堀将大(岡山県倉敷市)▽高校生以下・題詠「橋」の部 山本未生(神奈川光陵高1年)吉川奈那(太田宝泉中1年)▽高校生以下・自由詠の部 井上千尋有(沼田高2年)植原愛佳(高崎商科大付属高2年)

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