モノクロ写真のススメ。モノクロだけで動物園を撮ってみたら世界が変わった!

「動物園」っていうと、みんなの持っているイメージってなんだろう。きっと、「子供ができたら家族で行きたい場所」だったり「2度目のデートで行ったなぁ」だったり、はたまた「キリンに頭突きされたなあ」だったりするのだと思う(ちなみに最後の思い出は私の母だったりするのだ)。
大阪に越してきてからたまにふらっと電車の圏内にある天王寺動物園に何度か行ってみたところ、4回目くらいで出てきた「魅力的に撮りたい……」という写真欲。

どうせ撮るならカッコよく撮りたい……なんなら動物園ってわかんないような感じで撮りたい……中古の望遠レンズを使ってもなかなか思った写真の撮れない日々……そんな中、モノクロ撮影に挑戦するcamelltownのイベントがきっかけでふと思う。

「モノクロならいけるのでは?」

というわけで、モノクロ縛りで1日動物園に出陣! 1日ぶらぶらして気付いたことをざっくりとまとめてみる。(使用カメラはCanon EOS kiss X9、使用レンズは100-300mmの中古の望遠レンズです!)

1日撮ってみてわかった気づきその1「模様の特徴的な動物は映える」

ず〜っと2つの部屋をぐるぐる移動しまくっていたヒョウさん。待ち伏せしつつMFで撮影。20分くらいひたすら撮りまくっていたら急に止まってくれたのでこれでもかと撮りまくった……。
広いサバンナゾーンを練り歩いていたキリンさん。着いたらちょうどご飯タイムだったので、しっかり近くで撮れました。まつ毛のバサバサ感が美しくてご満悦。

体に柄のあるヒョウやキリン、シマウマなんかは白黒で撮影すると模様がしっかり浮き出て簡単に魅力が爆増する! モノクロ撮影って色の明暗だけを情報として残すので、単純に固有色だけで見ている時より柄に目がいくようになるのです。

1日撮ってみてわかった気づきその2「望遠レンズは基本必須」

猛禽類は動物によっては結構広い柵の中にいるので、タイミングによっては上手く撮れない……油断していると急に近づいてきてくれてイケメン顔を披露してくれます。眼福。
たそがれるメスライオンさん。すぐ近くでゴロゴロしてくれて、サービス精神強め。

動物園ってもちろん安全面が大きいと思うけど、基本動物との距離が遠い。「ズームで撮れない=動物以外の周りの風景が写りやすい」ので、どうしても人工物なんかが写り込むと、なんか惜しいなぁ感が出ちゃう……。

何より望遠でアップ目で撮ると、迫力が増して簡単にカッコいい感が増す! あとは手前の柵をボケで消せたり、動物が近づいてくるのを待たないで良かったり、正直めちゃくちゃメリットだらけなのである。(動物との距離が近いガラスの展示とかだと逆に撮りづらいから余裕があれば標準レンズも持参するべし)

1日撮ってみてわかった気づきその3「暗め&コントラスト強めがなんかカッコいい」

背景が暗めだったので、羽の白さが際立ってお気に入りの一枚。
毎回行くたびに水の中に沈んでて出会えてなかったカバさん。人だかりが出来てて覗いてみたらなんと陸に上がってくれていた。ありがとう!

私はモノクロ設定にした後、コントラストをちょっと強め&露出を低めにして撮影。もちろん撮影後にレタッチで調整することもできるけれど、やっぱせっかくなら撮りながら試行錯誤して好きなトーンを見つけたいんや……被写体の動物にもよるけれど、皮膚の艶感が際立つカバとかは暗めトーンが特に合う。

1日撮ってみてわかった気づきその4「とにかく気長に粘ること!」

口の周りの黒い縁取りがかわいい……。

お目当ての動物が寝てたり、見えないところにいたり、向こう向いていたり。正直めっっっっちゃくちゃあります。まじで。そんな時は撮れない〜って思いつつも、ちょっと離れて休憩&観察。エサの時間とかで急に動き出すことも。
どうしても動かなさそうだったら一旦別の動物の撮影に移動したり、ちょっとご飯休憩なんかしてみたり。1日粘って何度も何度も来てみると不意にシャッターチャンスが訪れたりする。「粘る」っていっても何時間もただひたすらにチャンスを待つんじゃなくて、気分転換をしたり楽しみながら、気長に動物の偶然を待つのがきっと大事。

1日、モノクロだけで動物園を撮ってみて。

他にもお気に入りの写真をちょっと紹介。

フラミンゴ周りは細かい網で覆われていたのでMFで撮影。綺麗な曲線が水面に写って続いていくのがちょっと面白い。
ニヒルな笑みがかわいい。何か企んでそうだ。
お部屋の端っこで滴る水滴に興味津々。
新しくできたペンギンの水槽は、まるで空を飛んでいるみたいなペンギンに会える。
めちゃくちゃお気に入りなアシカの黄昏中。他の子は元気に泳ぎ回っていたのにマイペースで幸せそうな笑顔に思わず笑みが溢れました。
鳥類の羽は芸術作品みたいでついつい何度もシャッターを切ってしまう。

撮影を終えて。最初は「色が無いなんて寂しいかなぁ」と不安を感じつつ挑んだモノクロ縛り。結果、はためたに楽しかった……! 決してめちゃくちゃ性能がいいカメラを使おうと思わなくても、レタッチに全責任を背負わせなくても、根気と時間と動物好きな気持ちがあればきっと素敵な写真が撮れるはず……!

惰性で撮影をせずに、理想のイメージを持って試行錯誤するひととき。自分の好きな写真のイメージにまたひとつ、近づけたような気がした。

終わりに

漫才の聞こえてきそうな、コンビのペンギンで締めさせて頂きます。

「みんなもモノクロ縛り動物園、やってみてなぁ〜!」

取材・文・撮影=camell編集部

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