スポーツマックス 2024-25年秋冬コレクション - 美しくも退廃的なディーバに思いを馳せて

スポーツマックス(SPORTMAX)の2024-25年秋冬コレクションがイタリア・ミラノで発表された。

美しくも退廃的な歌姫にインスパイア

今季のスポーツマックスは、60年代のアイコンであるドイツ人歌手・ニコと、彼女が残したアルバム『カメラ・オブスキュラ(Camera Obscura)』にインスパイア。すらりと伸びた手足、謎めいたまなざし、飄々とした態度…ドラッグ&ロックンロールの寵児と呼ばれたニコの美しくも退廃的な雰囲気を、ダークな世界観のコレクションに落とし込んだ。

80年代のディーヴァにも思いを馳せて

ニコと同様にパワフルな息吹を与えるのは、グレース・ジョーンズ、デビー・ハリー、アニー・レノックス、スージー・スーなどの80年代の伝説的なディーヴァたち。シャツやドレス、ジャケット、ニットには、アルバムのジャケットから着想を得たプリントをあしらい、これらのカリスマティックな音楽界のアイコンたちを讃えている。

“コルセット”着想の彫刻的なシルエット

全体を通して印象的だったのは、コルセットの世界観からヒントを得たスタイル。幾何学的なカッティングを施したビスチェスタイルのドレスや、ベルトのレイヤリングによってショルダーやウエストを強調したジャケットなど、ボディをしっかりと引き立てる彫刻的なシルエットが散見された。マニッシュなテーラードブレザーやレザーコートも、フォーカスはウエストラインにシフトして、あくまでレディな着こなしとしているのが新鮮だ。

近未来的な素材使い

SF映画の金字塔『ブレードランナー』を意識したという、フューチャリスティックな素材使いにも注目。たとえばボディコンシャスなレッドドレスには、PVCの透明なフリンジをレイヤリングし、グラマラスなひねりをプラスしているのがポイント。このほかにも、ハイテク素材とテーラリング、パテント仕上げなどの組み合わせを通して、未来に目を向けた過去の世界に波及していいる。

官能性を引き立てる鮮烈な赤

カラーは、ブラックやネイビーブルー、グレーメランジュといったシックなパレットを中心に、ロイヤルブルー、ヌードを差し込んで。中でも、ダークな色彩の中に投じられた鮮烈なレッドのアクセントが、ニコのエッジーで官能的なムードを際立てる。

コレクションを彩るアクセサリー

アクセサリーには、かっちりとした構造の新作バケツバッグがお目見え。パテントレザーにメタルハンドルを合わせたボディを開くと、ヴィンテージスタイルのミラーが現れる仕様となっている。シューズはラウンドトゥのメリージェーンがやわらかな雰囲気をプラスする一方で、パンツの裾から顔を覗かせるカウボーイブーツがクラシックなムードを演出した。

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