「愛を感じた」超特注アイアン 幡地隆寛の初Vギア

ニュージーランドでうれしい初優勝(Getty Images)

◇アジアン&豪州ツアー共催◇ニュージーランドオープンby SKY SPORT 最終日(3日)◇ニュージーランド・ミルブルックリゾート(コロネット、リマーカブルズ両コースの複合コース=6964yd/パー71)

幡地隆寛が「67」とスコアを伸ばし、スコット・ヘンド(オーストラリア)を振り切って初優勝を果たした。彼の14本とボールには、昨年からの変更点がいくつかあった。

ドライバーは操作性重視の「TSR4」を継続。昨年11月「ダンロップフェニックス」でブルックス・ケプカと一緒に回り、インスパイアを受けて作った一本だ。スプーン「TSR2+」とハイブリッド「TSR2H」も含めて不動の“クリーンアップ”となる。

最新クラブセッティング

アイアンも3番が「620CB」、4番以降が「620MB」という流れは変わらないが、「オンセット(出っ歯)のアイアンにしてもらいました」(幡地)とMBに変化が加わった。そもそもオフセット(グース)が少ないアイアンだが、それでも幡地には微細なオフセットが“つかまる”印象に映った。

特にショートアイアンでコントロールしたいとき、オフセット具合が気になるという。「新しく作るのは難しかったのですが、タイトの人がアメリカに問い合わせてくれて、ビリー・ホーシェルに講じた策をやってみようとなりました」。その策とはこうだ。

ロフトをひと番手分寝かせ(約4度)、寝かせた分バウンスが出るので、そこを削る。ロフトを寝かせるとアイアンの歯が出てきて、ほどよいオンセット感になるという。

ニュージーランドで使ったアイアンのソールはがっつり削られていて、バックフェースにはバランス調整のための鉛がべったり。ソールを削っているため、バックフェースに番手の数字が刻印されていた。「ここまでやってくれて、愛を感じます」と感謝して即投入を決めた。

新しいSM10の3本

ウェッジは新しいボーケイの「SM10」にスイッチ。46度、54度、61度の3本体制で、61度のみノーメッキ。ワイドソールのKソールをLソールっぽくトウとヒール、トレーリングエッジを削った幡地専用ソールだ。

パターは不動のエース「スコッティキャメロン ファントムX 11S プロトタイプ」。センターから微妙にヒール側にずれた位置にシャフトを挿した特注モデル。昨年9月「東海クラシック」からバッグに入り、そのまま継続している。

そしてニュージーランドに行く前に、ボールも替えていた。「プロV1x」から新しい「プロV1xレフトダッシュ」へ。

幡地は「ドライバーで打った時にプロV1xの低く出る打ち出しが好みでしたが、少しスピンがかかりすぎるせいかホップする感じがありました。プロV1は自分にとって柔らかいので打っている感触が少し弱く感じますが、V1xよりスピンが抑えられて前に行く感覚があります。レフトダッシュはその両方のいい部分を兼ね備えている感じですね。V1xのように理想の低い弾道で出て行って、V1のようにスピンが入り過ぎずに前に行く感じがあります」と説明した。

ニュージーランドでは4日間を通してショットは好調、チャンスも多かった。新しいボールが優勝に貢献したのは間違いないだろう。メーカーの厚いサポートを元に勝利をつかんだ幡地。日本のツアーでの初勝利もそう遠くはなさそうだ。(編集部・服部謙二郎)

不動のエース(写真は2023年ゴルフ日本シリーズJTカップ)(撮影/服部謙二郎)

<幡地隆寛のクラブセッティング>
ドライバー:タイトリスト TSR4(10度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK(7X)

フェアウェイウッド:タイトリスト TSR2+ (3番14.5度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK(7X)

ユーティリティ:タイトリスト TSR2H(18度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK HYBRID(10TXS)

アイアン:タイトリスト 620CB(3番)
シャフト:ダイナミックゴールド(S400)

アイアン:タイトリスト 620MB(4~9番)
シャフト:ダイナミックゴールド(S400)

ウェッジ:タイトリスト ボーケイウェッジSM10(46、54度)、SM10ウェッジワークス(61度)
シャフト:ダイナミックゴールド(S400)

パター:スコッティキャメロン ファントムX 11S ツアープロトタイプ

ボール:タイトリスト プロV1x レフトダッシュ

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン