死刑上申書の不開示訴訟が結審 名張ぶどう酒事件、4月に判決

名古屋地裁

 名張毒ぶどう酒事件で死刑が確定し、2015年に89歳で獄中死した奥西勝元死刑囚の死刑執行に関する上申書を法務省が開示しないのは違法だとして、弁護士が国に開示を求めた訴訟の口頭弁論が4日、名古屋地裁(剣持亮裁判長)で開かれ、結審した。判決は4月18日。

 国側は情報が開示されれば、死刑囚が自らの執行時期を予想するなどして精神的に動揺し、収容業務に支障を来すとしている。弁護士側はこの日の弁論で、国側は抽象的な不安や危険を大げさに主張しており、具体的な危険性の論証になっていないと反論した。

 名古屋高検が法相に執行命令を申し立てる「死刑執行上申書」について、弁護士が21年5月に開示請求した。

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