岡山県知事公舎跡地に本社移転 イシカワHD 事業拡大で体制強化

岡山県知事公舎跡地に完成したイシカワHDの新本社

 投資会社・イシカワホールディングス(HD、岡山市北区弓之町)は、本社を同市中区住吉町の岡山県知事公舎跡地に移転する。4日、現地に新社屋が完成。子会社3社を含む本社機能を移し、4月1日から業務を始める。事業拡大に伴う対応で、執務スペースを広げて新部署を立ち上げるなど経営体制を強化する。

 敷地約3900平方メートルのうち、約2千平方メートルを開発。鉄骨平屋425平方メートルを新築した。現在は後楽園門前にある建物「旧福岡醤油(しょうゆ)」の一部に入居する同HDと、事業会社でベーカリー運営・Merci(メルシー)、フィットネス施設運営・Waistline Group(ウエストライン グループ)、茶製造販売・茶下山の各本社を移す。管理部門などの従業員計10人が勤務する予定。

 執務スペースは現在の4倍程度に広がり、新たにグループ全体のプロダクトデザインを統括する部署(2人)を4月1日付で発足する。ワイン醸造のtetta(テッタ、新見市)を含む全4子会社の商品パッケージやロゴのデザイン開発に力を入れ、ブランド力向上と売り上げ増を図る。

 新社屋は、同HDの石川康晴社長が理事長を務める石川文化振興財団(本部・岡山市北区幸町)も利用する。建設費は約2億8千万円。昨年4月に着工していた。

 知事公舎を巡っては、県が2015年に土地と建物(部長公舎含む)の売却に向けた一般競争入札を行い、石川社長が5億5500万円で落札。更地にして活用策を検討していた。旧福岡醤油は、同財団がギャラリーや多目的室として引き続き使う。

 石川社長は「今後も既存事業の拡大や、M&A(企業の合併・買収)を含めた新規事業の開発を進めていく」としている。

 同HDは21年設立、資本金1千万円、連結売上高5億8190万円(23年4月期)、グループ従業員約140人。

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