トルコCPI、2月は前年比+67% 引き締め再開との見方も

Ezgi Erkoyun Daren Butler

[イスタンブール 4日 ロイター] - トルコ統計局が4日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比67.07%上昇と、予想を上回った。

食品、ホテル、教育分野で大幅な値上がりが見られ、タイトな金融政策の必要性が浮き彫りになった。1月は前年比64.86%上昇だった。

シムシェキ財務相は統計発表直前、地元放送局のブルームバーグHTに対し、前年比のインフレ率は今後数カ月、利上げの影響波及の遅れやベース効果で高止まりするが、今後12カ月で低下すると述べた。

トルコ中央銀行は昨年6月以降、計3650ベーシスポイント(bp)の利上げを実施。現在は利上げを停止し、インフレ抑制には現行の政策金利45%で十分だとしている。

しかし物価圧力と堅調な内需を踏まえると、31日の地方選挙後に一段の引き締めが行われる可能性が高まっていると一部のエコノミストは指摘する。

キャピタル・エコノミクスの新興国市場担当シニアエコノミスト、リアム・ピーチ氏は「コアCPIの上昇圧力は依然として強い。この状況が続けば中銀の引き締めサイクルが再開される可能性が今後数カ月で高まる」と述べた。

2月のCPI上昇率は前月比4.53%上昇。1月の6.70%上昇から鈍化した。

ロイターがまとめた2月のCPIの市場予想は、前年比65.7%上昇、前月比3.7%上昇だった。年末までに前年比42.7%に鈍化すると見込まれている。

シムシェキ氏は「1月のインフレ率が高かったのは一時的な要因によるもので、2月もある程度続く可能性がある」とした上で「3月はトレンドに戻り、われわれが予想するインフレ鈍化の道筋と一致するだろう」と語った。

CPIの発表を受けてトルコリラは1ドル=31.4205リラとやや下落した。

一部のアナリストは選挙後にリラが下落すると予想しているが、シムシェキ氏はリラ安も大幅なリラ高も望んでいないと述べた。

2月のCPIの内訳はレストラン・ホテルが94.5%上昇、教育が91.8%上昇、食品・非アルコール飲料が71.1%上昇。

エコノミストは2月のCPI加速について、今年の最低賃金引き上げによるサービス部門への影響が長引いていることも一因との見方を示している。

2月の生産者物価指数は前月比3.74%上昇、前年比47.29%上昇だった。

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