【中学受験の塾選び】四谷大塚の特徴と費用(2024年度版)

四谷大塚

「中学受験の塾選び」をテーマに、大手5塾に加え、それぞれの特色で生徒数を伸ばす新興2塾について、特徴や費用、カリキュラムなどを紹介する。今回は四谷大塚について見ていこう。

四谷大塚の特徴

低学年では、「読み・書き・計算」といった「学習の基礎・基本」をしっかり身に付けて、子供たちを褒めることでやる気を出させ、知的好奇心を刺激しながら「考えることの楽しさ」を教え、自ら学ぶ学習習慣を身に付けさせることで、学力を伸ばす。小学校での学習カリキュラムに沿いながら、4年生から始まる中学受験勉強につながる内容についても指導する。

高学年では、1週間ごとの学習カリキュラムを組み、同じ単元をレベルを上げながら時間をおいて何度も学習する「らせん型カリキュラム」を取り入れ、基礎から応用までしっかり身に付ける。また、授業を受講する前に教科書を開いて自ら考える「予習」をさせることで、「未知の学習内容に対して、先ずは自分のアタマで考える」こと、「基礎・基本」「努力する習慣」が大事であることを生徒に伝えている。また、AIを活用したIT授業「予習ナビ」「復習ナビ」を活用して、親身な熱誠指導で「応用力」「思考力」を高める指導を行っている。

1週間の流れは、「予習→授業→復習→週テスト→復習」となる。高学年のカリキュラムは4~6年生の3年間で組んでいる。4~5年生の2年間で中学受験に必要な学習内容を一通り習得させ、6年生の前半で徹底的な単元・領域別の総復習、後半では教室での指導に加えて、ひとりひとりの生徒に対応している、最先端のAIを活用した学習システム「志望校別単元ジャンル演習」「第一志望校対策演習」で、志望校合格へと導く。

高学年は、次の6つの特徴がある。

使用教材は、ベストセラー教材「予習シリーズ」と、副教材「計算」「漢字とことば」「演習問題集」「最難関問題集」「考える社会科地図」など、さらに6年生の入試対策教材「四科のまとめ」を使用している。

通塾の頻度と時間帯

入塾のおすすめ時期

低学年、高学年ともに、3年間でのカリキュラムを組んでいるため、そのスタートとなる新1年生(年長生の2月)、新4年生(3年生の2月)から入塾すると、スムーズに学習の流れに乗ることができる。

ただし、随時、入塾テストを実施しているので、それ以外の時期に入塾しても、生徒の学力に応じて個別に補習などを行いながらしっかりフォローするので、安心して入塾していただきたい。

入塾前の「体験授業」「入塾テスト」の有無とその費用

随時「体験授業」を実施している。体験授業の受講料は無料。通常の授業を受講していただき、1週間の学習の流れを確認できる。

また、随時「入塾テスト」も実施している。受験料は無料。年に2回(6月・11月)の「全国統一小学生テスト(無料)」や、低学年生向け年3回(3月・7月・12月の学期末)の「リトルスクールオープンテスト(無料)」も「入塾テスト」を兼ねている。

入塾後の「テストの実施頻度」「1クラスあたりの定員」「クラス分け」

低学年は月1回の「月例テスト」と年3回の「リトルスクールオープンテスト」を受験。
高学年は、週1回の「週テスト」と、5週に1回の「組分けテスト」を各校舎で受験。
4年生の1月と5年生の9月・1月に「志望校判定テスト」、6年生は年6回(4月・7月・9月・10月・11月・12月)の「合不合判定テスト」は、私立中学校会場で受験。各テストは、原則として学校行事で受験できない場合、実施翌日に振替テストを実施。また、全学年、6月・11月の「全国統一小学生テスト」を各校舎で受験する。

1クラスあたりの定員は、低学年が8~12名程度、高学年が15~20名程度のクラス定員を設定。低学年は年3回の「リトルスクールオープンテスト」、高学年は5週に1回の「組分けテスト」の成績でクラス分けを実施している。6年生後半は、「学校別対策コース」を設定し、志望校別・学力別にクラス分けを実施している。

年間費用

※いずれも消費税込、テキストなどの教材費、テスト代、講習会受講料などが含まれる。

授業以外のサポート

塾での授業以外に、おもに家庭での学習をサポートするITコンテンツ(無料)を用意している。
「高速基礎マスター」=計算力、漢字、語彙力、理科・社会の用語などを身に付ける。
「予習ナビ」=教科書「予習シリーズ」を解説するIT授業
「復習ナビ」「週テスト演習」=「週テスト」を解説するIT授業

また、全学年の生徒を対象に月1回、将来の夢を見つけるきっかけとなる研究者や起業家などの特別講義「未来発見講座」を開き、生徒同士のディスカッションで互いの考えに刺激を受けることで、学習のモチベーションをアップさせ、夢・志を持つきっかけづくりをしている。さらに、生徒とは月1回、10分程度の「個人面談」を実施し、学習のアドバイス、心のケアを行っている。

定期的に「父母説明会」を実施し、学習の進捗、学習のポイントなどを伝えている。原則として学期末に父母との「個人面談」を行い、個々の生徒の状況に応じた的確なアドバイスを行っている。

近年の中学受験の傾向について

2020年4月の新型コロナ蔓延に伴う緊急事態宣言を受け、学校が休校になり、そのときの私立中学校のリモート授業の対応の素早さなどが注目されて、にわかに中学受験ブームが起き、問い合わせ・入塾が増えた。2023年5月の新型コロナ5類感染症指定を受け、そのブームも少し落ち着きを見せているが、依然として、中学受験ブームが継続している。

昨今の中学受験ブームが起きる前から、ここ10年、中学受験が一般化してきたことで、各家庭での我が子に対する教育の価値観も多様化してきている。難関校を目指す生徒・家庭もある一方で、大学付属校を目指す生徒・家庭や、「国際教育」「サイエンス教育」「ICT教育」など、特色あるカリキュラムを打ち出している学校を目指す家庭も増えてきている。

工藤めぐみ

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