1966年に誕生したロングセラー商品「しるこサンド」。昭和レトロな見た目と、お汁粉を再現した素朴な味わいから長年多くの人に愛されています。そんな「しるこサンド」の断面を見ると、あんが挟まれています。一体どうやって作られているのでしょうか? 今回は「しるこサンド」を製造する松永製菓の工場に潜入しました。
「しるこサンド」のあん作りをのぞき見
愛知県小牧市の住宅街を走ると、日本で唯一「しるこサンド」の製造をしている松永製菓の工場が見えてきます。工場では、年間3億5000万枚もの「しるこサンド」を製造。ここから全国に出荷されるのです。
まずは大きなマシンで、あんを作ります。北海道産あずきの粉末へ砂糖や水を加えて練り上げ、次に加えるのは、なんと隠し味のリンゴジャム。フルーティーで優しい甘みが加わることで、飽きのこない「しるこサンド」となるのです。
さらにハチミツも投入し、10分ほど練ればビスケットに挟むあんが完成します。出来上がったら、波打つようにあんが出てきました。重量はおよそ300キログラム。このひと練りで、7万枚もの「しるこサンド」を作り上げます。
肝心の工程は企業秘密! 「しるこサンド」のサンドとプレスの工程
次はビスケット作りです。砂糖や塩などを加えて10分ほど練り上げれば、まるでパンの生地のように仕上がります。ここからどのようにビスケットに変身するのでしょうか。ビスケット生地は別の容器に移され、運ばれていきます。
そして次の工程へ! ゆらゆらと揺れるマシンから、小さくなった生地がポトリ、ポトリと落ちていきました。生地が1カ所に片寄らないよう、均等に振り分けるマシンです。
そしてここからが最も重要な工程! 残念ながら企業秘密で撮影はNGですが、簡単に説明すると、シート状になったあんとビスケット生地を重ねてローラーで薄く引き伸ばして作っているのだそう。
その後、3層になった生地をプレスして「しるこサンド」に成形。1つ1つ、“お馴染みの形”に仕上がっていきます。
全長50メートルのトンネルで焼き上げる
続いてあんをサンドしたビスケット生地が、トンネルの中に吸い込まれていきます。なんと50メートルにもなるロング窯! 約5分かけてじっくりと焼き上げていきます。
こんがりキツネ色に仕上がった「しるこサンド」。スーパーマーケットで見かける、いつもの姿に変身しましたが、なんとツルツルつやつやにコーティングされています! コクを出すために植物性のオイルをかけて完成させているのです。
完成したしるこサンドは、梱包作業へ。しるこサンドを1枚ずつレーンに流し、個包装します。
シンプルだけど奥が深い「しるこサンド」。老舗企業のこだわりや努力が散りばめられていました。