「母校がなくなっても、1番の思い出」3月末で閉校の高校で最後の卒業生が巣立つ 41年の歴史に幕 卒業生らも集まり惜別

3月末で閉校になる広島県呉市の高校で卒業式がありました。最後の生徒たちが、学び舎をあとにしました。

小雪が舞うなか、2日に卒業式が行われたのは、呉市焼山にある呉昭和高校です。最後の卒業生となった生徒63人と門出を祝う保護者らが出席しました。1人ひとりの名前が呼ばれ、藤本秀穂 校長からクラスの代表に卒業証書が手渡されました。

呉昭和高校は、第2次ベビーブームの生徒を受け入れるため、1983年に創立しました。3年後のピーク時には24クラス、1131人の生徒が在席していました。

しかし、人口減少や少子化影響で徐々に生徒が減少。県教育委員会は、定員割れなどを理由に3年前から新入生の受け入れをやめ、今年度末で閉校することを決めました。

見送る在校生もいない、卒業生だけで迎えた “最後の卒業式” です。生徒代表の 濱本絆菜 さんは、「早く恩返しができるよう自立に向けて努力します。私たちが進路に向かって進めたのはひとえに先生方のおかげです」と3年間の思い出や、恩師と保護者に感謝の気持ちを伝えました。

卒業生たち
「卒業した気分はまだないんですよね。私も実感が湧かないんですけど、やっぱり母校がなくなるのはさみしい」
「母校なくなる。さみしいですね。でも、やっぱり思い出なので、これからも一番の思い出になってくると思います」
「中学の時は後輩が入ってきて、後輩に教えながらやったのがあったのと比べると、さみしいなという思いでした」

保護者
「学校がなくなってしまうのが、お兄ちゃんもここの卒業生なのでさみしいです」

この日は、学校の正門付近に建てられた「閉校記念碑」の除幕式も行われました。記念碑には学校の歴史や校訓が刻まれています。

久びりに再会した同窓生や地域の人たちは、記念碑の前で写真を撮るなどして母校との別れを惜しんでいました。

当時の教員
「本当に良い子たちの集まりで、呉市の一番の力になったのが昭和高校だったと思う」

卒業生6864人、それぞれの思い出が詰まった学校…。呉昭和高校は、3月末に41年の歴史に幕を閉じます。

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