「円形校舎」老朽化のため取り壊し 広島・呉市

広島県呉市内の小学校にある、円形の校舎が、老朽化で取り壊されることになり、児童らが別れを惜しみました。

「安全に見守ってくれた校舎に感謝を込めてありがとう!(みんなで)ありがとう!」

その舞台は、呉市海岸の港町小学校…。今月17日、児童らが学び舎に感謝を伝えました。この校舎は、全国的にも珍しい円形で、現役で使われているのは、県内ではここだけ…。しかし、老朽化で解体が決まっています。(31)

「いろんな人の思い出になっているからなくなるのは悲しいけど忘れないように思い出を心に残しておきたい」

瀬戸内海を臨むように立つ港町小学校の円形校舎は、1962年に竣工しました。

4階建てで、扇状に教室が並んでおり、そのユニークな形と、狭い土地を効率的に使えるのが特徴です。更に最上階には、円形の体育館も備えています。

「入学式が最初緊張していたけど丸い階段や体育館が全部丸くて学校が楽しみだなというのを覚えています」

この日は、卒業生や地元の住民を招いた見学会も開かれました。円形校舎の絵や過去の写真なども掲示し、県外を含むおよそ400人が訪れました。

「懐かしいねえ~本当に残念で残念で…もったいないですよね」

体育館では、卒業生を含む参加者が校舎への感謝を寄せ書きし、さながら同窓会のような状態に…。円形校舎の思い出話に花を咲かせていました。

■卒業生

「円形校舎の中がバームクーヘン みたいな形なので1年生2年生の時しか過ごしていないが懐かしい思いがした」

■卒業生(愛媛)

「愛媛から帰ってくるときに船や電車から円形が見えてやっと呉に帰ってきたとほっとするところがあったのでなくなるのがさみしい」

解体工事は4月から始まり、児童は市内の別の場所の仮設校舎に移ると言うことです。地元のシンボルとしても親しまれた愛された思い出の円形校舎での授業も、あと僅かです。

【2024年3月4日 放送】

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