各国中銀、インフレとの戦いで勝利の瀬戸際に=BIS

Marc Jones

[ロンドン 4日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は4日、各国中銀は世界的な高インフレとの闘いにおいて勝利の瀬戸際にいるとの見解を示した。

四半期報告書で「慎重ながらも楽観的」になる根拠があると指摘。BISの金融・経済部門の責任者、クラウディオ・ボリオ氏は記者団に対し「各国中銀は断固だる行動を実施し、インフレの定着を防いだ。同時に経済活動は驚くほど耐性があり、金融システムは十分に持ちこたえている」とした。

また、リスクはなおくすぶっていると改めて警告した一方、市場の利下げ開始予想時期と主要中銀が示す時期との差が大幅に縮まったと言及。「金融市場が中銀の見解に近づいた事実は、少なくとも今回においては中銀がリスクをより理解していたことを示唆している」とした。

インフレ圧力に関しては、経済におけるサービス業の割合が高まるにつれ、より頑強になり得るとしたほか、「自然利子率(Rスター)」とも呼ばれる中立金利については上昇する可能性があるが、その測定には不確実性が伴うとした。

ハイテク株、特に人工知能(AI)ブームに関連する大型株の急騰に関しても警戒する姿勢が見られた。

ボリオ氏は「テクノロジーに大きな変化や将来的な変化があるときはいつも、市場を極端な高値に押し上げるような熱狂が起こる。今回もそうなるかもしれない」と指摘。他の多くの市場も今年に入り急騰しており、経済大国のソフトランディング(軟着陸)が想定されているとした。

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