ウクライナ「ロシアの一部」、メドベージェフ前大統領 和平交渉否定

Andrew Osborn

[4日 ロイター] - ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長は4日、ウクライナは「明らかにロシアの一部」との認識を示した。現在のウクライナ政府との和平交渉は否定した上で、将来的なウクライナ政府がロシアとの交渉を望む場合は「新しい現実」を認める必要があるとの考えを示した。

メドベージェフ氏はプーチン氏と入れ替わる形で2008─12年に大統領を務め、プーチン氏の盟友として知られる。この日はロシア南部ソチで開かれた若者を対象としたフォーラムに参加し、ロシア帝国とソビエト連邦を賞賛した上で、ウクライナの指導者が屈服するまでロシアは「特別軍事作戦」を遂行すると表明。

「ウクライナはロシアではないと語ったウクライナの元指導者がいたが、こうした概念は永遠に抹消されなければならない。ウクライナは間違いなくロシアの一部だ」とし、歴史的にロシアの一部であるウクライナはロシアに「帰還」しなければならないと語った。

メドベージェフ氏の発言は、ロシアのウクライナにおける軍事的な目標が広範に及ぶ可能性があることを示唆するもの。現時点でウクライナはメドベージェフ氏の発言に反応していない。

メドベージェフ氏また、ロシアと米国との関係は1962年の「キューバ危機」の頃よりも悪化していると指摘。現状について「米国製の兵器が使用され、米国の特殊部隊が参加する、ロシアに対する本格的な戦争だ」と語った。

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