中国スマホ、アフリカでサムスンとアップルを破りファン囲い込み―香港メディア

香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは3日、「中国のスマートフォンがアフリカで世界的大手のサムスンとアップルを破り、大きな影響を及ぼしている」とする記事を掲載した。

香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは3日、「中国のスマートフォンがアフリカで世界的大手のサムスンとアップルを破り、大きな影響を及ぼしている」とする記事を掲載した。

中国メディアの環球時報が4日、その内容を要約して伝えたところによると、記事はまず、「ケニアのにぎやかなショッピングエリアにある青色、赤色、黒白縞模様の店舗はそれぞれ、アフリカで最も売れているスマホブランドのTECNO、Infinix、iTelに関連した色を表している。その3ブランドのスマホはいずれも中国のスマホメーカー、伝音(Transsion)によって製造されたものだ。深センに本拠を置くTranssionは、アフリカでのスマホ販売のみで富を築いてきたが、今では中南米やインド、東欧、東南アジアなど他の市場にも進出している」と伝えた。

記事は3ブランドの中のTECNOについて、「2023年には中東とアフリカでの販売台数でサムスンやアップルを上回った。これは、この地域における中国のハイテク外交を強化するのに貢献した功績であり、その結果、ますます多くの中国のハイテク企業をアフリカや中東に誘致することにつながった」と指摘した。

記事によると、TECNOの成長は150ドル(約2万2500円)の価格帯の端末によってけん引された。香港の調査会社カウンターポイントのシニアアナリスト、ワン・ヤン氏は「この成長は主に、インフレとエネルギー価格が低下し、アフリカの現地通貨がほとんどの国で安定したことなど、マクロ経済環境が大幅に改善したことによるものだ。特に低所得層の消費者信頼感を高めるのに大きな効果がある」とし、「Transsionは、アフリカの中位から下位層のスマホセグメントに最も多くの投資を行っているため、これらの追い風から最も恩恵を受けた」と分析する。

ワン氏によると、TECNOはマーケティングとチャネル浸透への継続的な投資と、プレミアムグレードのスマホを発売するという野心的な計画で、消費者の間でブランド信頼性を高めている。Transsionは、中東およびアフリカ地域全体で支配的なスマホメーカーとなり、3ブランドは23年のアフリカのスマホ市場で計48%のシェアを占めた。

記事は「昨年のアフリカのスマホ市場では、中国の他のスマホ大手のXiaomiが7%、OPPOが5%のシェアをそれぞれ占めた」とし、「中国のスマホブランドは大陸全体に遍いている。これは中国企業の需要曲線を細かく把握する能力と、一連の機能に妥協することなく適切な価格設定を行うスキルを物語る。これはスマホだけに限ったものではなく、消費者分野全体に当てはまる」とするサハラ以南地政学アナリスト、アリ・カーン・サチュ氏の見解を紹介した。(翻訳・編集/柳川)

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