新チームの青写真 バスケットボール女子② 藤蔭 伸びしろ十分、プレスディフェンスに磨きをかける【大分県】

3年生が卒業し、新チームはどのような青写真を描いているのか。本シリーズでは、バスケットボール女子の県高校新人大会で4強入りし、九州大会への出場権を得たチームの現在地を整理。さらに強化ポイントをチェックしながら、今後の動向を占う。女子の第2回は県高校新人大会では4位となった藤蔭。

【チームパラメーター】( )は昨年の数値

オフェンス 5(7)

ディフェンス 10(10)

リバウンド 8(9)

シュート 6(7)

3点シュート 4(7)

高さ 5(6)

新チームになって最初の公式戦となった県高校新人大会は、思うような結果を残せなかった。準決勝の大分戦は64-70で惜敗し、シード決定戦では中津北に47-67で敗戦した。芦川尚子監督は「100%の力は発揮できなかったが、このチームはまだまだ伸びると感じた」と手応えを口にする。

走力を生かした強度の高いプレスディフェンスは変わらない。攻守の切り替えの速いトランジションゲームを得意とする。県高校新人大会では試合の中で好不調の波があり、爆発力を生み出せなかったのが敗因となった。昨年のチームは得点力の高い絶対的なエースがいて、高速でコートを走り抜くポイントガードがいたが、新チームではその穴を埋めるには至ってない。それでも芦川監督は「コートに立つ全員が攻めることができる。守備意識は高く、前チームより守備力は高くなりそうだ」と前向きだ。

伸びしろを感じさせる新チーム

伸びしろを感じさせる選手が多く、エース候補の大神埜乃(1年)は指揮官の想像を超えるプレーで得点源となり、松井二乃葉は1年生ながらキャプテンとしてチームを引っ張る。1年生が主力だが、2年生は精神面で支え、集中して練習できる環境づくり、雰囲気づくりを率先することで、チーム内にポジティブな空気が流れている。大神は「自分の役割に集中できるのは、周りの選手のおかげ」と感謝する。

九州大会では各県3、4位代表と対戦するトーナメントに出場することになる。「レベルの高い相手との対戦はいい経験になるだろうし、4月からは新1年生が入るので競争も激しくなる」と芦川監督。4月の南九州四県対抗選手権、6月の県高校総体に向けて、個人の力を伸ばすとともに、選手の組み合わせやメンバー構成を決める機会となりそうな九州大会だが、選手に気負いはない。大神は「それぞれが持ち味を発揮し、アピールすればいい。九州大会では個人として、チームとして、どれだけできるかを試し、次につながる大会にしたい」と語った。

得点源として期待のかかる大神埜乃

(柚野真也)

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