群馬建協、群馬テレビ/災害時の情報発信で協定締結、「ぐんケン見張るくん」活用

群馬県建設業協会(青柳剛会長)と群馬テレビ(前橋市、中川伸一郎社長)が、災害時の情報共有で提携した。群馬建協会員と、行政機関の災害情報共有システム「ぐんケン見張るくん」の枠組みに群馬テレビが参画。災害速報ニュースなどで情報をリアルタイムに活用してもらう。
4日に前橋市の群馬建設会館で「災害に関する情報発信等に係る協定」を締結。青柳会長と中川社長が協定書を取り交わした。
ぐんケン見張るくんは、会員企業が収集した災害情報を行政機関などと共有するとともに、X(旧ツイッター)で一般に発信している。群馬テレビはこれらの情報を取得し、番組での速報や平時の防災啓発などに役立てる。
能登半島地震を受け「災害時の情報は素早く、多ければ多いほどいいと感じた」と青柳会長。「(ぐんケン見張るくんの)動点カメラ情報を地元テレビ局に使ってもらうことで、災害のセミプロである建設業の強みを生かすことができる」と説明。「SNS(インターネット交流サイト)活用とマスコミ報道の融合が重要だ」と協定の意義を話した。
群馬建協は、建設業が地域を守るために「『災害対応組織力』を維持するためのデルタモデル」を掲げている。情報収集、訓練、人・もの・資機材の充実の三つの輪を回しながら非常時を想定した組織力の強化に今後も努めていく。2019年東日本台風では、県内の被害の情報伝達が遅れたことがあった。中川社長は「平時の啓発から災害復旧まで、多方面にわたる情報発信に厚みを持たせたい」と協定の効果に期待を寄せた。
青柳会長は石川・富山・新潟の各建設業協会首脳と懇談した経緯を踏まえ、「災害に強い群馬県にさらに踏み出していく」と力を込めて決意を示した。

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