沖縄・浦添市が「誰でも通園制度」を試行 こども庁のモデル事業 親の就労の有無に関係なく保育OK 6カ月~3歳未満を対象に7月開始

 沖縄県浦添市は2024年度から、親の就労の有無に関係なく保育を利用できる「こども誰でも通園制度」を試行的に導入する。26年度から全国で展開されるのを前に、市は試行的事業で好事例や課題を早めに共有し、保護者や園側と制度への理解を深めたい考えだ。5月に利用者を募集し、7月からのスタートを予定している。

 こども家庭庁では、試行的事業に150程度の自治体の参加を想定。1月時点で県内から浦添市だけが名乗りを上げていた。

■保護者負担額は1時間300円

 同制度の対象年齢は保育支援が手薄い生後6カ月~3歳未満。利用上限は月10時間で、保護者の負担額は子ども1人当たり1時間300円に設定されている。市は保育園1カ所で試行的事業を予定し、月40人程度の利用を目指す。利用希望者が多い場合、ひとり親や要支援家庭を優先する可能性があるという。

 市はこれまで、一時預かり保育の拡充を課題と認識してきた。試行的に導入するに当たり2月にはLINEやアプリなどでニーズ調査。対象となる子どもがいる保護者から283件の回答があり、うち237件が「利用したい」と答えたという。

 市の担当者は「親の孤立防止に力を注ぎたいが、その対応に当たる保育士不足もあり、ジレンマに悩まされている。26年度からの実施義務化を見据え、制度への理解を深めたい」と話した。

(浦添西原担当・比嘉直志)

(資料写真)浦添市役所

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