政府、被害者支援弁護士創設へ 殺人や性犯、早期一貫対応

被害者支援弁護士の新制度のポイント

 政府は5日、殺人や性犯罪などの遺族や被害者を事件直後から一貫してサポートするため、「犯罪被害者等支援弁護士制度」を創設する総合法律支援法改正案を閣議決定した。被害届の提出など刑事手続きや、加害者側との示談交渉といった民事手続きを一手に担い、被害者らの負担軽減を目指す。今国会で成立すれば、2026年までに施行される見通し。

 法務省によると、犯罪でけがや精神的ダメージを負った被害者らが自力で弁護士を探すのは困難で、働けなくなって依頼する資金が用意できないケースもあると指摘されていた。新制度は、早い段階から同じ弁護士による継続した支援を実現する狙いがある。

 改正案では、日本司法支援センター(法テラス)に新制度の窓口を設置。(1)被害届・告訴状の作成や提出(2)加害者側との示談交渉(3)損害賠償請求の提訴(4)国の支援給付金の申請―などを担う弁護士を被害者らに紹介する。

 弁護士費用などでこれまで通りの「生活の維持が困難になる恐れ」との資力要件を設け、利用者には原則、費用負担を求めない。

© 一般社団法人共同通信社