結婚した場合と生涯独身を比べると「必要なお金」は具体的にどのくらい違いますか?

結婚した場合と独身の生活費の違い

総務省統計局の「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2023年」「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年」によると、結婚した場合の生活費は図表1、独身の生活費は図表2のとおりです。

【図表1】

※総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年」より筆者作成

【図表2】

※総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2023年」より筆者作成

二人以上の世帯と単身世帯の1ヶ月当たりの生活費を比べた場合、世帯主の年齢や勤労者世帯かどうかによって異なります。ただし、二人以上の世帯の平均と単身世帯の平均を比べると、二人以上の世帯のほうが約13万円(勤労者世帯と比べた場合は約11万円)高いです。

結婚した場合にかかる費用

結婚した場合、結婚式や出産、子どもの教育にかかる費用が必要です。どのくらいのお金がかかるのかは、人それぞれに異なります。しかし、それらの費用だけで、数百万円近くかかる可能性が高いです。独身の場合、基本的にこれらの費用はかかりません。

結婚式などにかかる費用

株式会社リクルートの「ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏」によると、結納・婚約〜新婚旅行にまつわる金額の平均は、415万7000円です。内訳は図表3のとおりで、もっとも費用がかかるのは、挙式、披露宴・ウエディングパーティーにかかる費用の327万1000円でした。

【図表3】

※株式会社リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏」より筆者作成

出産や子どもの教育にかかる費用

厚生労働省の「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」によると、公的病院の出産費用(室料差額等除く)は45万2000円、全施設の出産費用(室料差額等除く)は46万7000円とのことです。

また、文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査の結果」によると、幼稚園から高等学校までの15年間にかかる学習費総額の内訳は、図表4のとおりです。

【図表4】

※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果」より筆者作成

幼稚園から高等学校までの15年間に加えて、子どもが大学に進学した際には、さらに教育費がかかることになります。日本政策金融公庫の令和3年度「教育費負担の実態調査結果」によると、国公立大学の1年間の在学費用は103万5000円(入学費用67万2000円)、私立大学文系は152万円円(入学費用81万8000円)、私立大学理系は183万2000円(入学費用88万8000円)とのことです。

結婚した場合と独身に必要なお金を理解して自分に合ったライフスタイルを選ぼう

結婚した場合と独身を比べると、生活費は1人分のみで、結婚式や出産、子どもの教育にかかる費用が発生しない独身のほうがかかるお金は少ないです。しかし、独身の場合は、老後生活を過ごすに当たって、頼れる家族が居ない、生活費を誰かに工面してもらうことは難しいことを想定する必要があります。

結婚した場合と独身のままでいるのとでは、どのくらいのお金がかかるのか、それぞれのメリットやデメリットを理解し、自分に合ったライフスタイルを選んでみてください。

出典

厚生労働省 出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年
総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2023年
日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果」
株式会社リクルート ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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