ガンジー像の場所を再考 長崎市が設置先送り 眼鏡橋近くに予定も…懸念や疑問相次ぐ

ガンジー像の設置イメージ図(長崎市作成)

 長崎市がインドから寄贈を受けるマハトマ・ガンジーの胸像(高さ2メートル超)を巡り、今月上旬に予定していた中島川沿いでの設置を先送りし、設置場所を再考することが4日分かった。インド側にも既に伝えており、中島川沿いも含め1カ月程度かけて検討する。
 本紙報道などで設置を巡る経緯や予定地が表面化した2月下旬以降、市民から懸念や疑問の声が相次いでいた。
 ガンジーは「非暴力・不服従運動」を通じ、インドを英国からの独立に導いた人物。インドは胸像を、米ニューヨークの国連本部や広島市にも寄贈した。
 長崎市は昨年10月に寄贈意向を受け、設置場所を検討。平和公園(松山町)や稲佐山公園で調整したが双方が折り合わず、長崎原爆の当初の投下目標(常盤橋から賑橋付近)に近いことなどを理由に、中島川沿いに決まった。ただ観光名所「眼鏡橋」のそばでもあり、ガンジーとの関係のなさや景観への影響を指摘する声なども上がっていた。
 複数の関係者によると、市は近隣住民らに対し、設置場所を検討し直す方針を既に伝えた。一方、ガンジーの平和哲学や功績は国際的に認められており、市の平和行政の考え方とも一致するとして、寄贈を受ける方針は変えない。

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