DMATカー導入へクラウドファンディング 31日まで協力呼びかけ 福島県いわき市の常磐病院

能登半島地震の被災地で活動する常磐病院のDMAT隊員ら(常磐病院提供)

 福島県いわき市の常磐病院は、大規模災害や事故が起きた際に救命治療に当たる災害派遣医療チーム「DMAT」が使うDMATカーの導入費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 DMATカーは赤色灯やサイレンを備え、緊急車両として走行できる。傷病者の救急搬送や車内での医療行為が可能で、救急車とほぼ同じ機能を持つ。災害時だけでなく平時でも活用できる。

 東日本大震災や2019(令和元)年の台風19号などで市内に甚大な被害があったのを踏まえ、常磐病院は昨年7月にDMATを組織。能登半島地震では被災地で支援に当たったが、DMATカーがないため現地での活動の幅が狭まった。隊員の沢野豊明医師は「車両があれば搬送できた患者を他のDMATに任せるしかなかった」と振り返る。

 CFの目標金額は1500万円で、心電図モニターや人工呼吸器など車内用医療設備の購入費に充てる。期間は31日まで。専用サイトの他、常磐病院の総合案内でも寄付を受け付けている。

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