ゴールドラッシュをもう一度…70年前に閉山した山ケ野金山周辺でカナダ企業がボーリング調査 霧島市

山ケ野地区に残る坑道の入り口=霧島市横川町上ノ

 江戸時代初期から採掘が始まり1953年に閉山した鹿児島県霧島市横川の山ケ野金山周辺で、カナダの鉱物探査会社「アービング・リソース」が金を含む鉱脈を探すボーリング調査を進めている。調査の概要や進み具合などは非公表。2023年12月の同社の発表では数カ月かけて1、2カ所を試掘し、サンプルを採取することを明らかにしている。

 九州経済産業局によると、国内で唯一商業レベルで稼働している菱刈金山(伊佐市)が見つかった1980年代以降、県内で民間企業による金の採掘に向けたボーリング調査は「ほとんどなかった」という。同局の公示によると、県内では他にも試掘権の認可を受けている企業が複数ある。

 同鉱山は江戸時代初期の1600年代半ばに発見された。28.4トンを産出したとされ、国内では歴代7位の採掘実績を誇る。金は近年、安全資産として需要が増えている。23年8月には小売価格が初めて1グラム1万円を超えるなど、高値が続いている。

(別カット)岩肌に口を開ける坑道の入り口=霧島市横川町上ノ

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