東山盆踊り、8月に5年ぶり復活 80周年記念イヤーに再開機運高まる 福島県会津若松市

「会津磐梯山」に合わせて踊りの輪を広げた東山盆踊り「福島民報の夕べ」=2019年8月13日

 福島県会津若松市東山温泉の夏の風物詩「東山盆踊り」は8月上旬、5年ぶりに復活する。新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止していたが、80周年の記念イヤーに再開機運が高まった。会津の奥座敷と市民、観光客の絆を再びつなぐ。

 詳細は今後詰めるが、日程は8月1日から4日までとする予定だ。従来はお盆に催していたが、旅館やホテルの繁忙期を避け、より多くの地元関係者に参加してもらう。温泉街を流れる湯川の上に高さ約14メートルの大やぐらを組み、東山芸妓(げいぎ)が歌う「会津磐梯山」に合わせて踊りの輪を広げる。費用は宿泊施設や地元企業などからの寄付に加え、クラウドファンディングなどを活用して広く募る方針。

 主催する東山温泉観光協会は新たな趣向も取り入れたい考えだ。平賀茂美会長は「新たな盆踊りとして生まれ変わらせ、次の80年につなげたい」と話している。

■民報社がやぐら寄贈

 東山盆踊りは、太平洋戦争時の1944(昭和19)年、東京から東山温泉に疎開してきた児童を励まそうと、温泉地内の湯川にやぐらを組んで開催したのが始まりとされる。

 福島民報社は1967年、戊辰戦争100年を記念し、やぐら代など100万円を会津若松市を通じて東山温泉組合に贈った。30年を経て老朽化したため、1997(平成9)年に新しいやぐらを東山観光協会と東山温泉旅館協同組合に寄贈した。舞台の広さは約50平方メートルと、以前のやぐらより一回り大きくなり、今に受け継がれる。

 コロナ禍前の近年は「福島民報の夕べ」をトップに4夜にわたり開催され、合わせて約6千人が参加する、会津の夏を彩る一大イベントとして親しまれてきた。

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