選抜出場の神村学園 川下晃汰主将(諫早市出身) 父に続いて甲子園へ 「一生懸命な姿見せたい」

主将としてチームを引っ張り、父に続いて甲子園に出場する川下=諫早市、長崎日大学園野球場

 対外試合禁止期間が解けた高校野球は2、3日、県内各地でも数多くの練習試合が展開された。そのうち、18日開幕の選抜大会出場校で鹿児島県から長崎に遠征してきた神村学園は、諫早市出身で外野手の川下晃汰が主将を務める。父親の友久さんも元球児で長崎日大時代の1993年に春夏連続で甲子園に出場。父に続いて挑む聖地へ「誰よりも一生懸命な姿を見せたい」と闘志を燃やしていた。
 俊足巧打の外野手として活躍した父の影響を受けて、北諫早小2年でソフトボールを始めた。北諫早中時代はボーイズリーグ(硬式)の諫早レッズ球団でプレー。中学1年夏はU-12ワールドカップに日の丸を背負って出場した。高校は長崎日大と悩んだ末に「家を出て自立したい」と九州屈指の強豪校を選んだ。
 右投げ左打ちで入学後は1年秋から外野手で出場したが、その後は右肩の故障などに苦しんだ。「ケア不足」と自らを戒めて懸命に復帰やチーム内競争に励み、主将を任された今季は昨秋の九州大会で4強入りして選抜切符を獲得。出場機会にこそ恵まれなかったものの、練習からチームを引っ張ってきた。
 厳しい冬のトレーニングを経て迎えた対外試合解禁。3日は諫早市で長崎日大と対戦した。ベンチや一塁コーチャーでひときわ大きな声で仲間を盛り上げ、途中出場後は左翼線へ痛烈な二塁打を放ち、父譲りの快足も披露。「技術よりも、ここぞの場面でガッツを出す選手」と自負するリーダーシップを発揮し、チームは2日間計4試合すべて快勝した。
 約2週間後に幕を開ける夢舞台。「当然、日本一を目指す。その中で先を見すぎずに、目の前の一戦一戦を大事にやる」と気合十分で、父も「“チームのために”を一番に頑張ってほしい」とエールを送っている。

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