蘇民祭の熱、絶やさぬ 一関・長徳寺、4年ぶりの通常開催

4年ぶりの袋ねじりで蘇民袋を奪い合う男衆

 岩手県一関市藤沢町保呂羽(ほろわ)の長徳寺(渋谷真之住職)の蘇民祭は3日、現地で行われた。今回は130年の節目で、新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりの通常開催に。勇ましい男衆が五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願って蘇民袋争奪戦「袋ねじり」を繰り広げ、関係者は行事の継承を誓った。

 雪がちらつく寒空の下、県内外から下帯姿の男衆約40人が集結した。水垢離(ごり)で体を清めた後、マツの木を井桁状に組んだ柴燈木(ひたき)に火を付けて登り、「ジャッソー」「ジョヤサ」と威勢のいい声を上げた。

 境内から蘇民袋が投げ込まれると男衆は勢いよく飛び付いた。男たちの体からは湯気が上がり、争奪を繰り広げながら200メートルほど離れた寺の麓の水田へ。約30分で決着した。

© 株式会社岩手日報社