心と体に癒しを リトリート推進で群馬県初 千代田町の観光計画採択 

水上オートバイやバナナボート体験の様子=千代田町

 忙しい日常を離れ、心と体を長期滞在で癒やしてもらう「リトリート」を推進する群馬県は4日、観光地づくりを支援する環境整備事業に、千代田町などでつくる町観光推進協議会の計画を初めて採択したと明らかにした。本年度から5カ年で、利根川沿いの立地を生かしたキャンプ場などを整備する計画。温泉地に比べて、宿泊型の観光機会が少ない東毛地域でもリトリートの可能性を探る。

 同整備事業は、市町村や観光協会などが長期滞在を想定した観光地づくりの施設整備などを県が支援する取り組み。年1億円を上限に事業費の半分を補助する。同日の県議会リトリート・温泉文化に関する特別委員会で県側が報告した。

 町産業観光課によると、利根川河川敷に宿泊できるキャンプ場を核とし、町内を周遊して長期滞在できる環境を整える。人気の高いウインドサーフィンやカヌーといった水上アクティビティーの活用や歴史ある寺社の観光地化を進める。本年度は光恩寺(赤岩)敷地内の遊歩道の整備に着手する予定で、総事業費は2027年までに約2.5億円を見込む。

 千代田町周辺は平野が広がり、県境にも近く移動がしやすい利点がある。人気の高い温泉地とは異なる観光需要が見込めるとして、同課担当者は「本県の新たな観光先進地になれるよう、町の特長に合ったスタイルを模索したい」としている。

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