飼い主さんの体にぴったりとくっついて眠るのが好きな犬もいるでしょう。実は、犬が寝る場所からは、そのときの犬の気持ちを知ることができるんですよ。

今回は、寝る場所犬の気持ちがわかる理由や、飼い主さんにくっついて眠る犬の心理について、哺乳類学者の今泉忠明先生に教えていただきました。

どうして寝る場所で犬の気持ちがわかるの？

引用元：いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬は「家族全員を見渡せる場所」を好んで寝場所にします。一見「ひとりでいたいのかな？」と思えるような狭い場所や部屋の隅で寝ていても、そこが大好きな家族の存在を感じられて安心できる場所なのです。

野生時代の犬は眠りが浅く、小さな物音ひとつしてもすぐに動き出せるほどだったいわれています。そうした本能は家庭犬になった今でも残っており、寝ているときも家族の気配を感じているのです。なかには、ところかまわず“ヘソ天”で熟睡する犬もいますが、「敵」のいない安心できる環境なればこそですね。

犬が飼い主さんの近くで眠る理由

引用元：いぬのきもち投稿写真ギャラリー

飼い主さんにくっついて眠る犬は、子犬のような気分を味わっています。飼い主さんの鼓動や息づかい、温かさが心地よく、母犬のおなかの中にいたころのような感覚で眠れるのでしょう。

飼い主さんのベッドのどこで寝るかでも気持ちがわかる

引用元：いぬのきもち投稿写真ギャラリー

飼い主さんのベッドのどこで寝るかでも、愛犬の気持ちがわかる場合があります。

枕元

犬のほうが飼い主さんを子どもと思っている場合に多いのが枕元。飼い主さんに何かあれば、自分が面倒を見てあげなければと思っているため、顔の近くにいるようです。

足元

飼い主さんと対等な関係に近い犬が選びやすい寝場所。背中や足元など、体のどこかを飼い主さんにくっつけていることが多く、やはり何かあれば助けようと思っています。

ベッドの下

飼い主さんに従順な犬や、ベッドに上がらないようにしつけられた犬は、限りなく飼い主さんに近い場所で寝ます。好きな気持ちをわかってほしい距離といえるでしょう。

ちなみに、飼い主さんが起きると、入れ替わりで布団に潜りこむ犬もいます。これは、独立心が強めの犬に多い行動で、飼い主さんのニオイやぬくもりが残った布団をひとり占めして寝たい気持ちのあらわれでしょう。みなさんの愛犬はどこで眠りますか？

お話を伺った先生／今泉忠明先生（哺乳類学者 日本動物科学研究所所長）
参考／「いぬのきもち」2020年3月号『愛犬の心理を読み解こう！ “寝る場所”でわかる犬のキモチ』の内容をまとめます。
文／柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。