珍しい快挙!難関資格「日商簿記1級」合格の高2男子、同じクラスの仲間1人も難関「基本情報技術者試験」合格 切磋琢磨の2人、狭き門を見事突破 大好きなゲームやカラオケ我慢、土日は勉強9時間も

合格証書を手にする新井智哉さん(左)と岩尾佑斗さん=越谷総合技術高校

 越谷総合技術高校(埼玉県越谷市)2年生の男子生徒2人が、高校生にとって難関とされる資格を取得した。岩尾佑斗さん(17)は日本商工会議所(日商)簿記検定1級、新井智哉さん(17)は基本情報技術者試験にそれぞれ合格。クラスメートの2人は切磋琢磨(せっさたくま)して勉強を積み重ね、夢への一歩を踏み出した。

 岩尾さんは1年生の時、日商簿記検定2級に合格。1級取得を高校生活の目標とした。1級は大学卒業程度の会計知識が必要で、公認会計士や税理士への登竜門といわれる。大好きなゲームやカラオケを控え、平日は帰宅後の2時間、土日は長い時で8~9時間ほど机に向かった。

 学校によると、昨年11月の試験には社会人など1万251人が受験し、このうち1722人が合格。倍率16.8%の狭き門を見事に突破した。

 越谷総合技術高校では昨年、当時の3年生が同校で初めて日商簿記1級に合格。今年は、2年生の岩尾さんが先輩に続く快挙となった。

 試験の手応えはなく、不安な中で迎えた今年1月の合格発表。「取りあえずほっとした」と岩尾さんは冷静に喜びをかみしめた。

 一方、新井さんが受験した基本情報技術者試験は、IT企業で働く社会人が多く挑む情報処理の国家試験。学校によれば合格率は試験の時期によっても異なるが、平均30%ほど。合格者の大半が将来はプログラマーやシステムエンジニア(SE)を目指す。高校生が挑戦し、合格するのは珍しいという。

 新井さんは昨年4月から、学校で自主勉強を平均1時間続けた。過去問題をひたすら繰り返し「手応え十分だった」と、思い通りに合格をつかみ取った。

 2人はクラスメート。お互い難関資格に挑戦することは知っていたが、特別に意識せず、それぞれのペースで勉強を重ねた。

 情報処理科の片桐優輝教諭は「どちらも高校生にとって難しい資格。自分で時間をつくって勉強し、努力を続けたことは大変素晴らしい。今後も頑張ってほしい」と2人にエールを送った。

 将来の目標は岩尾さんが公認会計士、新井さんは情報処理の教諭。合格に甘えることなく、2人は次の試験に向けて既に勉強を始めている。岩尾さんは「公認会計士に必ずなりたい」、新井さんは「4月に迎える次の試験でまた合格する」と気合十分。夢をつかむまで努力を続ける。

© 株式会社埼玉新聞社