賞金2400万円とランキングポイント没収から一転、ルブレフの処分が軽減

ルブレフの賞金とランキングポイントの没収処分が軽減

男子世界ランク5位のアンドレイ・ルブレフは3月4日、自身のSNSを更新し、前週行われた「ドバイ・デューティー・フリー・テニス選手権」(アラブ首長国連邦・ドバイ/ATP500)準決勝での失格により賞金とATPランキングポイントが没収されたことについて、処分が軽減されたとした。

26歳のルブレフは、2022年大会で優勝しており昨年も準優勝。3年連続の決勝進出、2度目のタイトル奪取へ向け、準決勝でアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)と対戦した。

試合は互いに一歩も譲らず、ルブレフが第1セットを7-6(4)で奪えば、ブブリクが第2セットを7-6(5)で奪い返す。ここまで試合時間が1時間37分とテンポよく試合が進み、勝負の最終セットへ突入する。その最終セットで、ルブレフは第1ゲームでブレークに成功するも、その後は7度のブレークポイントを生かせず。第8ゲームでブレークバックを許してしまう。

一進一退の攻防のまま試合は進み、5-5の第11ゲームに今回の出来事が起きた。40-30でブブリクの放ったショットがベースラインぎりぎりに落下。ラリーを続けた末にポイントを落としルブレフがアウトだったのではと不満を露わにし、線審に抗議した。これを聞いた別の審判が、ルブレフが母国語のロシア語で不適切な言葉を発したと主審らに報告。ルブレフは英語しか使っておらず暴言も履いていないとしていたが、失格処分が言い渡された。これにより賞金の約2400万円(15万7755ドル)とATPランキングポイントの200ポイントが没収となった。

しかし、試合から3日後の4日、ATPは関係者からの証言や動画、音声から検討し「控訴委員会は試合の没収以上に、ランキングポイントと賞金の喪失は釣り合っていない」とした。なお、暴言を吐いたことへの罰金約550万円(3万6400ドル)は賞金から差し引くこととなる。

この決定にルブレフは、「ドバイ準決勝で失格とし、獲得したランキングポイントと賞金を取り上げるATPの最初の決定を軌道修正して、僕の上訴を承認してくれた委員会に感謝したい」と処分軽減について述べ、「今後、ATPがこのルールを詳しく検討し、明確な証拠もなく、ビデオ検証もなく審判が試合結果を強要できないように変更してくれることを願っている」とルールの再検討を求めた。

とはいえ、ルブレフも線審に顔を近づけて強い口調にもなった。「この2日間、みんなからたくさんのメッセージをもらって感謝している。ここから学び、より良い選手、人間になれるように努力するよ」と綴っている。

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