広瀬めぐみ議員「しょうがない…」“赤ベンツ不倫”に言い訳ナシが「政治家的には最適解」なワケ

広瀬議員を国会に送り込んだ岩手県民からも“不倫”報道への批判が相次いでいる(公式ホームページより)

22年7月の参院選、“小沢一郎王国”と称された岩手選挙区で、実に30年ぶりとなる自民党の議席を獲得した広瀬めぐみ議員に不倫報道が飛び出した。

「週刊新潮」と「デイリー新潮」が2月28日に報じた記事によれば、広瀬氏はカナダ国籍のサックス奏者アンディ・ウルフ氏と密会していたといい、記事にはレストランのテーブルの上で手を握りあう様子や、2人が乗り込んだ赤いベンツが新宿歌舞伎町のラブホテルに入庫する場面も掲載されていた。

記者の直撃に対して当初「これ、掲載はどうしてもするの?」と弱気な一面も見せていたようだが、弁護士でもある広瀬議員。「男女でホテルに入っていれば不貞行為を認めざるを得ないのでは?」という質問に対し、「弁護士的にはそうですね」と認めた。

さらに、「ホテルに入ったんですね?」という問いに対しても「まあ、そうでしょうね。しょうがない、もう撮られてるんだから」と回答。

潔く不倫を認めたことは、逃げ口上ばかりの政治家の中では肝が据わっているようにも見えた。しかし、今後、広瀬議員と夫氏の間で、万が一離婚話が持ち上がれば、不倫を認めたことが、自身の首を絞める可能性はないだろうか。

広瀬議員の対応は「弁護士」が見れば不利

不倫を理由とした離婚問題に多く対応する杉山大介弁護士も、広瀬議員の記者への対応について「離婚問題として見れば不利」と話す。

「裁判を意識すると、自己に不利な事実は、たとえ強い証拠があっても簡単には認めない方が戦略的な場面も多いです。

今回についても、不貞行為そのものの場面の証拠というわけではないですし、ホテルに入っても不貞行為が認められなかった事例も実際にあります。つまり離婚問題として考えれば、広瀬議員は一歩“不利”な方向に踏み込んだことになります」(杉山弁護士)

「週刊新潮」の記者によって「ラブホテルに入っていく」現場は捉えられたが「不貞行為そのものの場面」ではない(弁護士JP編集部)

「政治家的」には正解の対応だった…?

しかし、「政治家として見れば正解の対応だったのではないか」と杉山弁護士は続ける。

「リスクマネジメントとして考えると、これで良かったのかもしれません。

法的には『不貞行為』が立証されたかに留保がありますが、社会的な意味での『不倫』は争いようがないでしょう。

正直、今の自民党が抱えている政治資金パーティーをめぐる裏金問題などからすると、広瀬議員の不倫は極めてプライベートです。もちろん、そのような行為にマイナスの評価を持つ人はいるでしょうが、公益性の高い話題だとは思いません。

週刊誌も一応は扱いましたけど、当事者に『そうですね、不貞ですね』と言われたら、それ以上できることもなくなってくるのではないでしょうか。

弁護士というのは、当事者の利益を第一に考えるのが仕事です。そう考えれば、私は、広瀬議員の選択は、傷を増やさない方法としてアリだと思いますね」(杉山弁護士)

記事掲載の翌日(29日)、広瀬議員は自身の公式ホームページやインスタグラムを更新し、支援者に対して謝罪した。関係者にはおわびの連絡が入り始めているとする報道もあったが、関連ニュース記事のコメント欄では岩手県民からの「呆れる」「どうせ岩手に来ても選挙時に応援した幹部に謝って終わり」「さっさと辞めさせてください」といった厳しい声も見られた。

「家族の絆」の大切さを説く自民党議員による不倫。その代償は、果たして広瀬議員の今後にどう響くのか。

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