【豆知識】二十四節気「啓蟄」とは

【豆知識】二十四節気「啓蟄」とは

二十四節気「啓蟄」の伝統行事や習慣を描いたイラスト。(北京=新華社配信/魏欣悦)

 【新華社北京3月5日】5日は二十四節気の3番目の節気「啓蟄(けいちつ)」に当たる。中国南部では気温が一気に上昇し、日が長くなり、雪解け水が流れ込み川や湖の水位が上昇し、生気に満ちた芽吹きの春が訪れる。啓蟄とは、古代の人々がこの時期、春の雷に呼び起こされた蟄虫(ちっちゅう、土の中で冬ごもりする虫)が地上に現れると考えたことに由来する。実際には地面の下の昆虫やアリ、ヘビ、ネズミは雷鳴のためというよりは、主に温度の変化によって活動を始める。

 ▽桃の花を観賞する

 桃の花は「啓蟄の使者」とされる。観光スポットとして桃園の人気が高まり、若者たちは漢民族の伝統衣装「漢服」を着て桃の花を楽しむ集いを開き、古代の詩や詞に歌われた春の景色を堪能している。

【豆知識】二十四節気「啓蟄」とは

敦煌市七里鎮の桃園で「敦煌舞」を舞う愛好家。(2022年4月17日撮影、敦煌=新華社配信/張暁亮)

 ▽梨を食べる

 啓蟄の時期には梨を食べる風習がある。中国語では「梨」と「離」が同じ発音のため、虫が作物に近づかず豊作になるという意味を表す。一方で、梨を食べて健康を保つという意味もある。春先は外気の変化によってせきが出やすくなるため、梨を食べることで肺を潤し、せきを鎮め、体内の水分を補い、熱を冷ます効果があるとされる。

 ▽春のタケノコを食べる

 春雷とともに、タケノコの穂先が土から顔を出す。たっぷりと雨を浴びたタケノコの肉質は、きめ細かく柔らかで、さっぱりとした味わいをしている。根元を手でつまむと水が滴るかのようなみずみずしさで、「春のタケノコを食して春の味覚を知る」という言葉もある。

【豆知識】二十四節気「啓蟄」とは

重慶市南川区の料理人が新鮮なタケノコを使って腕を振るった料理の数々。(資料写真、重慶=新華社記者/劉潺)

 ▽「搶花炮」などの伝統行事を行う

 旧暦2月2日に行われるトン族が伝統的な民族歌謡を歌う行事「トン族大歌節(祭り)」に合わせて、広西チワン族自治区のトン族やミャオ族などの少数民族の人々が集まり、トン族大歌や「抬官人」と呼ばれるパレード、伝統的なスポーツ「搶花炮」など、民族の特色あふれる伝統的な行事を行いこの日を祝う。こうした行事には、気候の安定や豊作、国家の安泰、国民の繁栄への願いが込められている。

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