米国防機密の文書流出、空軍州兵が罪を認める 

米国防総省の機密情報をソーシャルメディアに流出させた罪に問われている空軍州兵ジャック・テシェイラ被告(22)が4日、裁判で有罪を認めた。

検察はテシェイラ被告について最高16年8カ月の実刑判決を求めている。

同被告は空軍州兵の基地に勤務していた間、ゲーム愛好者らに人気のプラットフォーム「ディスコード」に多数の文書を投稿したして起訴されている。

それらの中には、地図や衛星画像、アメリカの同盟国の情報などもあったとされる。

テシェイラ被告は4日、マサチューセッツ州ボストンの連邦裁判所に出廷。国家防衛情報を故意に保持し送信したとする6件の罪状について有罪を認めた。

各件で最高10年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。ただし、検察は司法取引によって禁錮200カ月(16年8カ月)を求刑するとした。被告はこれに異議を唱えないとしている。

被告は最低11年は服役し、5万ドル(約750万円)の罰金を支払う。また、情報と防衛当局の事情聴取を受けることにも同意したとされる。

被告の弁護士マイケル・バクラク氏は、被告は「相当部分、子ども」だとし、その若さが行動において「重要な役割」を果たしたと述べた。

量刑に関する公判は9月27日に予定されている。バクラク氏は、被告がその場で禁錮11年をうまく主張できることを望んでいると述べた。

階級は下位だったが

検察などによると、テシェイラ被告は、ボストンから南へ1時間ほどの距離にある自宅に近い、オーティス空軍州兵基地に所属していた。

空軍の通信ネットワークを維持する情報技術職のスタッフとして勤務し、階級は1等空兵だった。下級の州兵だったが、最高機密にアクセスできる権限をもっていたという。

テシェイラ被告は2022年後半に、ディスコードのサーバー(チャットルーム)で銃や軍のマニアらの小さなコミュニティーと情報を共有し始めた。

当初、共有した文書はグループ内にとどまっていて、被告はオンラインの仲間たちがその重要性に気づかないことに不満を示していた。ほどなくして、機密情報はより利用者の多いチャンネルでも共有されるようになった。

機密文書はさらに、大規模なソーシャルメディアにも流れ、テレグラムの親ロシアのチャンネルや軍事ブロガーらにも取り上げられた。

文書のコピーの一部は誰かによって改ざんされ、ウクライナの死傷者数が増やされるなどしていたとされる。

(英語記事 Jack Teixeira: US airman pleads guilty to Pentagon documents leak

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