【速報】新型コロナ治療薬「ゾコーバ」国産で初めての正式承認 塩野義「治療に貢献できるよう努める」

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塩野義製薬は5日、開発した新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」が厚生労働省に正式に承認されたと発表しました。新型コロナウイルス対策として新設された「緊急承認制度」により、2022年11月に緊急承認されていました。

新型コロナの治療薬では、国産で初めての正式承認となります。

塩野義製薬は「グローバルでの開発を加速し、さらなるエビデンスの集積に努めるとともに、より多くの国々でのコロナ治療に貢献できるよう努めてまいります」とコメントしています。

■2022年に緊急承認 軽症や中等症の患者向けで後遺症にも効果が期待

「ゾコーバ」は塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの国内初の飲み薬です。主に軽症や中等症の患者向けで、重症化リスクがない人への使用も想定されています。ゾコーバよりも前に国内で承認された「ラブゲリオ」「パキロビッド」という2つの海外製の飲み薬よりに比べ、どの痛みや鼻水など、5つの症状を1日程度早く治める効果があるとされています。

2022年の緊急承認の段階では、薬の安全性について確認されていましたが、有効性については「推定」とされており、今回の正式承認で安全性・有効性ともに確認されたこととなります。

緊急承認では、処方する際に有効性が推定であることに同意する必要がありましたが、今回の承認で同意の確認が不要となります。

さらに、新型コロナの「後遺症」に対しても発現リスクを低減する効果についても期待されています。

塩野義製薬によりますと、服用後6か月間で症状があるか追跡調査をしたところ、せきやのどの痛み、倦怠感などの14の症状のうちいずれかの症状が続いていた人が、偽薬を飲んだ患者は26.3%だったのに対し、ゾコーバを飲んだ患者は14.5%で後遺症の発現リスクが45%抑えられ、物忘れや不眠、集中力低下などの神経症状についても33%症状の発現を抑える効果が認められたということです。

ゾコーバをめぐっては、日本で2022年11月に緊急承認されて以降、推定で100万人以上の患者にすでに使用されています。

また、海外でもシンガポールで2023年11月に輸入許可を受け、シンガポール国内の一部の施設において使用が可能となっているほか、アメリカでは米国食品医薬品局(FDA)から開発の促進や審査の迅速化を目的とするファストトラック指定を受けていました。

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